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「主も沢山買ってこいってよく言うよねぇ」



そう言いながらも3:7の割合で髭切が小烏よりも多く荷物を持っている
小烏は終始喋ることはなかった
髭切は寂しいと感じた
前まであんなに話しかけてきたというのに


「…小烏は僕が嫌いかい?」




『…ッ…』



放たれたその言葉に小烏はビクッとなった
別に嫌いではない、でも好きでもない
片割れが揃ったのなら必然的に小烏は要らないのだ
だから、近寄らないのだ



『嫌いじゃないし…好きでもない……小烏はひとりぼっち、好き』



答えるだけ答えた
恐る恐る髭切の方を見れば少し悲しそうだった
嗚呼、言葉を間違えたのだろうか
間違えたのなら、訂正しなくては
でもどうやるんだ?
小烏は会話が上手くできない、人間と触れ合う機会がなかったからだ
しかし、帰ってきたのは予想を遥かに超えた






「じゃあ、大好きになってもらうように頑張るね!」






『……?!』




小烏は口をあんぐりと開けた
明るすぎないか?
こんな刀だったかな、自分の本歌は


「もちろん、弟丸もね〜」



『……!?』



「三兄弟だね〜」



その言葉で自分の立場を思い出した
彼等は本歌なんだ、自分は写だ
本歌の横を割って入って兄弟と名乗ってはいけない
きっと、邪魔者のはずだ















「なんだ、小烏帰ってきたか。お使いはどう…って!」



小烏は帰ってくると近くにいた山姥切国広に荷物を渡すとどこかへ駆けて行った
山姥切国広は呆然としている最中、髭切は


「ありゃ、どっかいっちゃった」



このゆるふわ加減である
山姥切国広ははぁ…とため息を着けば審神者に小烏の荷物を預けた
無論、髭切もである


「弟〜、烏見つけよ〜」



「小烏のことか?兄者」



まるでかくれんぼをしているのかと言うぐらいゆるふわが半端ない本歌であった

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中原三日月(プロフ) - 源氏兄弟と写しの心境がとてもよく分かり素敵なお話で考えさせられます。更新頑張ってください!応援してます! (2019年8月19日 17時) (レス) id: f8510eae2e (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - とても素敵なお話で楽しく読ませて頂いてます!!髭切と暗めの話が好きな自分にどストライクの小説で更新されるたびにワクワクして読んでいます!これからも更新頑張ってください!! (2019年8月19日 17時) (レス) id: e0cbedd7f4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:自由陣 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/rekishilov1/  
作成日時:2019年3月25日 16時

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