【銀魂】俺の幼なじみの女に、最近色気や可愛げが出てきやした。

episode31 ページ10

　
『“真選組”は、な』



　
ゆっくりと呟くように発せられた言葉。





　
………え？





あたしにはその言葉の意味が理解できない。


　
　

　

「どうゆうこと…？」

　
　

『………いや、なんもねーよ。


　

仕事、頑張れよ。

　

──────────なんかあったら、電話してきてもいいですぜィ』



　


　
ぶちっ





ツー、ツー、ツー、ツー

　






意味ありげな言葉を残してぶっきらぼうに切ってしまった。


　
　

　

『“真選組”は、な』




『頑張れよ』




『電話してきてもいいですぜィ』


　

　

いつもは意地悪なくせに、変に優しくなる。

　

　

　
　

そのたびにあたしの胸は忙しくなって。
　

締め付けられるんだ。
　
　


　


　


　

　

.



　

　
　
　

　



　


　

　

　

　

　
　
　
　

　

　

.



　






　


なんだ、もうとっくに気付いてんじゃん。


　

　

　

　

　
あたし、総悟のことが好きだったんだね。






　
「そうなのかぁ〜…」


　

　

　
へなへなと座り込み、ため息をつく。


　

これが恋なんだ。





　
　



　


─＊─＊─＊─＊─＊─＊─＊─＊─


　

＊総悟side＊


　

「なーにやってんだ俺ァ」



　
さっきまでAと話していたケータイを握りしめる。


　

　
あいつとは喋らない、そう決めてた奴はだれだよ…。



　

　
俺、こんなにダメな奴だったっけ。



　

　
あいつがいねぇと、ロクに土方暗殺計画もできねぇ。


メシも喉を通らねーなんて。

　

情けねーな…。


　

　

　
「あいてーよ…」



　

　
あいつに会いたいと思っているうちに、気がつけば電話をしていた。

　

　
俺の中で、あいつがどれだけデカい存在だったかということが身にしみてわかる。


　
　


　

A、好きでさァ。




　


でも、きっとあいつは俺なんか好きじゃねえ。


　


　

むしろ嫌いなんじゃねーの？
　

なんて情けねーこと思っちまう。







俺も、素直だったらいいのに。



　

　
「早く、帰ってきて下せェよ…」


　

　



俺の呟きは空気に溶けていった。

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