【銀魂】俺の幼なじみの女に、最近色気や可愛げが出てきやした。

episode46 ページ25

「………ん…」
　

　


長いまつげを震わせながらゆっくりと目が開かれる。



　
綺麗なスカイブルーの瞳が俺を捉えた。


　

　
　

　
「A!!

　
大丈夫ですかィ!?俺がわかりますかィ!?」


　

　
肩に手を置いて尋ねると。




　
　
「………………そーご」


　


　

　

　
そう言ってへにゃりと笑った。

　


その笑顔に緊張感は解けていって。

すごく、安心した。



　

　
やっと、帰ってきた…。


　

　
遅すぎでィ…。




　

　
言葉にできないくらいの喜びを抑えつつ、俺は医者に報告に行った。









　
　

　



　

　

　


────────────────────



　

「うん、異常なしですね。


　
大事を取って１日入院したらもう帰っていいですよ」


　

　
医者の言葉に胸をなで下ろす。





Aの顔も嬉しそうだった。





　
　
「Aちゃん！よかったねぇぇ！」

　

　
屯所に連絡を入れたら飛んできた近藤さん。

　

　
涙をボロボロこぼしながらAに抱きついている。





　
　
「近藤さん…ありがとうございます」


　

Aはというと、微笑みながら近藤さんの頭を撫でていて。

　

　
とても近いというか、なんというか。



　

　
なんだか黒い感情が俺を支配した。



　
なんでィ、俺にはそんなことしねェくせに──────。


世に言う嫉妬と言う奴だろう。



　


　
だが俺はただの幼なじみで。

　

嫉妬する権利なんて持ち合わせていない。



　

　

早くこの近くで遠いこの関係を辞めにしねェと。
　


Aの一番になりたい。

　
どんなときでも。




　




彼女を独り占めしていたい───────。


　

　
　
　

　

「俺ァ、こんなに独占欲の強ェ男だったかねィ………」


　




　

　

　

意外な自分に気づき、小さく笑った。




　
　

　
病室の風鈴が、チリン……と鳴った。

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