【銀魂】俺の幼なじみの女に、最近色気や可愛げが出てきやした。

episode43 ページ22

総悟side


　

　



『……足元、フラついてるけど？



あんな、こんなただの拳銃使いなんかにやられるタマだったっけ？



そんなのに手こずってちゃあ、一番隊隊長としてやってけないよ？


あたしが変わりに隊長なってあげようか？』


　


　

Aにかけられた言葉は、いつもの憎まれ口。


　
　

　



　
　
でも、明らかに顔が違う。

　
心配そうな、不安がっているような顔。

瞳がゆらゆらと揺れている。


　
その表情と言葉から俺が読み取ったモノが一つ。








　


　
【負けないで】



　

　
ゆらゆらと揺れる真っ青な瞳はその言葉を強く訴える。

　


　
……負けるわけねーだろィ。

俺にはお前がついてるんでィ。


俺とお前なら、敵なんてねぇだろィ？





　

　
　
「そっちの方が心配でさァ。



　
だいたい、そのただの拳銃使いに捕まってたてめぇに言われたくねーやィ。






　
隊長は俺に任せとけ」




　
俺も負けじと憎まれ口をたたく。





　
【任せとけ】




　
とメッセージを込めて。




　

　
伊達に幼なじみやってないんでィ、きっと伝わっただろう。


Aはフッと笑うと、はいはいと返事をした。





　
もう、大丈夫。

カチリと剣を構え直す。


　
俺にはこいつがいるんだ。


　

負けるわけにはいかねェ。

まだ伝えてねー言葉がたくさんある。






　
いまは、




　


こいつをぶった斬るだけだ。





　
　

　
「あー、暇だな…。


　
眠くなるや…ふわぁ〜」

　

　

眼前の敵はあくびをかます。


いま、ヤツの緊張はゆるゆるに解けてる。

拳銃も下に降ろしているし。

隙だらけ、だ。



　


今だ。

　
チャンスは今しかねぇ……!


　
　
　
俺は一気に走り出す。


　

　
　


　
「！？」

　

　
驚いた表情になり、慌てて拳銃を構えようとするが時すでに遅し。




　


　
ガシャンッ!!




　
俺は拳銃を真っ二つに斬り伏せる。




　

　
「…くそ…！」


　
素早い動きでナイフを取り出した男。

しかし、剣術には慣れていないらしくぶんぶんとナイフを振り回すだけ。



　

　
俺はナイフをかわしながら間をつめ、そして＿＿＿＿＿＿＿＿＿





　

　

　

ザシュっ!!



　


　
斬った。


　

　

「ぐわぁ……っ………!!」


　

男の悲鳴が辺りに響く。






「余所見しちゃ、いけねーんだろィ？」


　


男はパタリと倒れると、そのまま動かなくなった。

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