【銀魂】俺の幼なじみの女に、最近色気や可愛げが出てきやした。

episode37 ページ16

いったいどれくらい走っただろう。






　
　
あたしの足はもう限界を迎えていた。


　

　
足は言うことを聞かなくなり、思うように進めない。


ふらふら、よろよろとしか進めなくなっていた。






　

　

　
周りの建物とくねくねとした道を利用し、なんとか新堂は巻いたのだが、いつ出くわすかわからない状況。


　

　
「はぁっ………はぁ………」









　

息切れも激しい。



随分と疲労も溜まっており、思わず座り込んでしまった。

　

　



　


「はぁ………………ふぅ…………」






　


　
…これから、どうしようか。



　

てゆーか、第一ここどこよ…。



逃げ出したはいいけど、場所がわかんないと元も子もない。





　

ちゃんと場所把握してから逃げたらよかった！




せめて屯所への道がわかればなぁ。

　




　



　

地面にへたり込みながら悶々と考える。
　


　
………こうしてる間にも、あいつは近づいて＿＿＿＿＿＿＿＿＿。





　

　
「Aちゃん、みーつけた♪」



　

気持ち悪い声と一緒ににこにこした新堂が現れる。



ゆっくりと歩み寄ってくる新堂。







あぁ、もう噂をすればっ！！
　





あたしもよろよろと走り出す。






でも、さっきみたいなスピードはないわけで。





ぐんぐんと距離が縮んでいるのがわかる。



　


　


　
　

　
マズい。






すぐそこまで迫ってきてる………!!!
　




もう逃げきれないよ…！



　




ヤツの足音が徐々に近くなる。





　

　

怖い、助けて……………!!!









　



必死の思いで足を動かし、角を曲がったその時。





　

ドンっ






何かにぶつかり、あたしはその何かにもたれかかる。





服らしき物が目に入ったので、恐らく人間だろう。
　
　

　

「す、すみませ…」



　
　

　

言いかけたとき、どこか懐かしい匂いがした。






　

　
「………やっと、見つけた」



　

　

　
ふわり…。





　

あたしの体は暖かい腕に包み込まれた。






　
好きでもない人にこんなことされると、いつものあたしなら黙ってない。





でも、よく知ってるから。






よく知ってるし、大好きだから。




　

　


　

「そー………ごっ…」



　

　


　


あたしは、大好きな幼なじみの背中にギュッと抱きついた。

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