33）バーでの密談 ページ21
夜のヨコハマ、暗い路地裏を歩く一人の少女
フリルのシャツに黒のフレアスカート、その上から赤い装飾の黒い外套を纏う
月の光に光るハニーブロンドを揺らし、小さな看板を飾った店に足を踏み入れる
静かな店内には人が少なく、淡い色に包まれる
そして、カウンターに彼はいた
「待ってましたよ、師匠」
ひらひら、と手を振る太宰
Aは太宰の隣に座る
「いつもの」
「はい」
「ここ、昔から師匠の行きつけですよね、昔一度だけ連れてきてもらいました」
「そうだったわね」
バーテンの青年が差し出す薄紅色のカクテルを口にするA
「貴方の狙い通りに行ったのかしら？」
「えぇ、貴女が芥川くんを上手く焚き付けてくれたおかげで・・・ですが、これも貴女の予見通りだったのでは？」
「・・・・・・・・・・・・」
Aはただ、小さく笑うだけだった
「師匠は昔からそうだ・・・まるで未来を見通すようで、全てがその通りに動く・・・師匠はどこまでご存知なんですか？」
「・・・・・・・・さぁ？」
グラスを戻せば、次に青いカクテルが出てくる
「・・・・ねぇ、師匠・・・私に、出来ると思う？」
「・・・・・・・・・・・」
「私なんか、師匠に比べたらまだまだだし、これから起きる〔本当の災厄〕の事だってまだまだ知らない事が多い・・・」
カウンターに伏せる太宰
チラッと目を向け、Aは青いカクテルを飲み干し、グラスを戻す。
「治」
「はい？」
顔を上げると、Aは手を伸ばしていた
その瞬間、その手は後頭部を平手打ち、油断していた太宰はその勢いでカウンターに顔を打ち付けた
「あいったあああぁぁぁ！！！？？」
「ごめんなさい、マスター、騒がしくて」
「いえ、大丈夫です」
次に出てきた白いカクテルを口にするAを恨めしそうに見る太宰
「ひどい、ひどいよ師匠、師匠ってば昔から私の頭に叩いて、頭だけならまだいいのに、どうして師匠に叩かれるともう一ヶ所も打つの？」
「そのまま倒れるからよ」
平然と答える師匠であった
「貴方にしては随分と弱気な事を言い出すのね、貴方は一体誰の弟子をしているのかしら？」
「A師匠です」
「私は私が教えれる事を貴方にも、中也にも叩き込んだはずよ、何が心配なの？」
「師匠・・・」
太宰は軽く目を見開く
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ゆか - 続きが気になります。更新頑張ってください。 (2019年3月14日 2時) (
レス) id: 1f8fc549d6 (このIDを非表示/違反報告)
暗白タクミ(朝霧夜宵)(プロフ) - あの…鏡花ちゃんの異能力は白雪夜叉ではなく夜叉白雪では？ (2019年3月7日 14時) (レス) id: f3ab0d9732 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 続編おめでとうございます^_^面白かったです^_^織田作が生きててくれて、嬉しかったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年3月7日 10時) (レス) id: 406c27ad01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水琴 | 作成日時：2019年2月23日 9時
