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26)消えた二人の夜叉と手の掛かる黒狗 ページ13

騒ぎを聞き付けた軍警と野次馬が集まる広場
フード付きの黒い上着を着たAがいた

剣撃の跡、銃撃戦の跡、壊れた公共の道具

「・・・・・・・・・・・・」

すでに部下たちに負傷死者の運びは終えていたが、その中に元補佐の報告はなかった

「・・・・治か・・・」
まぁ、殺されはしないだろう

フードをかぶり直し、その場から立ち去る

「・・・・〔泉 鏡花〕か」

赤い着物を纏った少女の姿が浮かぶ


〔貴女なら、私を殺してくれますか〕


初対面で告げられた言葉は、年齢には合わなかった

彼女の異能、【夜叉白雪】
それを見た時、Aは不思議に感じた

「・・・闇の花・・・か・・・」


空を見上げれば、どこまでも透き通る青空


首領に紅葉が消えた話をすれば、組合の積み荷を運ぶ船の襲撃計画を伝えられた

「彼を、行かせたのですか・・・まだ傷も癒えていないのに」

「彼が志願したのだよ、後始末を頼んだよ、〔樋口〕くん」

「・・・・仰せのままに」

電話を切り、面倒そうに港の方を見る。見えた黒い煙

「梶井と、か・・・あれなら爆弾浴びても死なないからな・・・・」

髪を簪で結い、赤縁の眼鏡を掛ける

「問題児を回収しに行くか」


港に着けば、派手に戦闘した跡

「芥川先輩、生きてますか」

「樋口か・・・」

満身創痍な様子の芥川がいた

「絶対安静の言葉が聞こえなかったようで」

「僕に命令をするな」

「・・・・・・・・・・・・・」
殴って気絶させてから運んだら怒られるかな

内心そう思いながらも、今は樋口だから押さえる

「尾崎幹部が失踪しました、おそらく探偵社に囚われていると思われます」

「・・・探偵社・・・・人虎」

「アジトで指示があるまで待機との事です」

「わかった」

ふらつきながらも立ち上り、歩き出す芥川
樋口は聞こえないように溜め息をつき、芥川の腕を自分の首に回した

「おい!」

「怪我人は黙って支えられてください、でないと黒服に抱えさせますよ」

「・・・・・・・・・・・・・・」

カルマトランジットの件から、芥川は樋口に手を上げる事はなくなった
以前なら振り払っていた手を、今のように受け入れていた

「(怪我を負わせた責任か・・・・食い散らかすだけの狗かと思ったら、意外ね)」

そう思いながらも、顔には一切出さず、路地裏に用意した車でアジトへ向かった

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ゆか - 続きが気になります。更新頑張ってください。 (2019年3月14日 2時) (レス) id: 1f8fc549d6 (このIDを非表示/違反報告)
暗白タクミ(朝霧夜宵)(プロフ) - あの…鏡花ちゃんの異能力は白雪夜叉ではなく夜叉白雪では? (2019年3月7日 14時) (レス) id: f3ab0d9732 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 続編おめでとうございます^_^面白かったです^_^織田作が生きててくれて、嬉しかったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年3月7日 10時) (レス) id: 406c27ad01 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水琴 | 作成日時:2019年2月23日 9時

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