99)羽王戦争・しがいない食事処 ページ3
「・・・・・・・・・・・・・・・」
力が抜けたのを見て、Aは手を放す
小林はゆっくりと地面に座り込む
「野田の兄貴!、親っさん?それにカシラ達まで・・・?」
現状を見て、なぜここに?と疑問符が浮かぶ和中
「お疲れさん、和中。終わったぞ」
「はぁ・・・?」
「カシラアァ!!あだっ!」
目を向ければ、煩わしそうな城ヶ崎がぽぃ、と何かを地面に投げる
「投げんなや!」
「うるせぇ。おい、こいつがピーチクパーチク連れてけって騒ぐから連れてきたぞ」
「室屋?」
「室屋さん、大丈夫ですか?」
ガバッと顔を上げ、Aの姿を見て、パァッと笑顔になり
「天使ちゃん!!」
「え?」
「・・・・・・・・・元々イカれてそうな奴だったけど、南雲の兄貴にやられて本気でイカれたか」
きょとん、とするA
可哀想な目を向ける華太はさりげなくAを引き寄せる
「天王寺組にもなかなかわかってる奴がいる野田」
「野田の兄貴・・・感心する所ではないかと」
Aは室屋の前に屈む
「大嶽さんならお医者さんの所ですよ」
「ほんまに、終わらせてくれたんやな・・・」
「はい、皆さんと約束しましたから・・・これから、天王寺組の皆さんはもう一仕事があると思いますが、今はお休みになられると良いかと」
「あぁ、おおきに、ほんまにおおきに、お姉さん・・・・せや、俺、お姉さんの名前知らんのや」
「こいつ、名前も知らないで雛の頼み聞いてたのか」
呆れた顔をする華太
「あれ?言ってませんでした?これは失礼。私はA、小峠 A。空龍街の外れで小さなしがいない食事処【月菊】を営でおります」
ふわり、と微笑み、立ち上がり、兄達に目を向ける
「さぁ、帰りましょうか。怪我の手当てしますよ」
――――――――――――――――――――――――――――
病院に運ばれた怪我人
天王寺組は全員大阪へ帰っていった
「・・・・・・・・・・・・・」
病室のベッドで考え込む大嶽
頭の中にあるのは、Aや天羽の言葉
様々な思惑が巡る中、大阪に足を踏み入れる人がいた
プラチナブロンドの長い髪を揺らし、腕に抱えた三毛猫の顎下を撫でる
「前に来たのは何十年も前やから、結構変わったなぁ。あ、櫻ちゃんと雛ちゃんと華太に喜久福の栗どら焼き買ったろ」
「にゃーお」
「はいはい、わかってはりますよ、“お父様”」
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かな - メアリー、スーヒロイン? (4月10日 23時) (レス) id: 6ea7610922 (このIDを非表示/違反報告)
りー(プロフ) - 続き楽しみです! (4月1日 7時) (レス) id: 54a38d0a40 (このIDを非表示/違反報告)
青魔道士 - 宝石色の白虎の方も読みたいです! (3月1日 13時) (レス) id: 9d0898b86e (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 続きを楽しみにしてます! (2月8日 17時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 続編おめでとうございます (1月17日 8時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水琴 | 作成日時:2024年1月16日 23時