94)羽王戦争・理由と再会 ページ48
「確かに東京は何度も大阪を攻めているのかもしれない、負の歴史があるのかもしれない。だけど、それを伝え続け、この連鎖が終わらないのは上の人が下の人達に言い聞かせ続けたから」
淡々と話すAの言葉に城戸は頷いた
「せぇやな。俺も兄貴たちからよぉ言われてきたわ」
「極道の世界は上の言う事は絶対。そんな話をし続ければ今のこの状態になるのも当然でしょう。自身がその負の連鎖を作っている事にも気付かぬまま・・・それを断ち切る為には、どちらかが覚悟を決めなければならないのです」
「覚悟・・・？」
「・・・・・・なるほどな」
Aと、天羽だけがわかるようだった
Aはクルッと振り返り、右手を胸元に添え、左手で長いスカートを摘まむ
「貴方が抱く天王寺組への怒りは重々理解しているつもりです。こんな事を願う私の事も許せないでしょう・・・・ですが、それでも、私は貴方に願いたい・・・この、若き若葉達が犠牲となる悲しい争いを止める為に・・・・だから、お願いします」
頭を下げるA
「A・・・・」
「・・・なぜ、そこまで天王寺組を・・・？」
「・・・・・・・・・・・」
Aは頭を上げ、微笑んだ
「それは」
―――――――――――――――――――
「30年前、てめぇら天王寺組を救った【夏目 雪子】の弟妹分だよ」
―――――――――――――――――――
「我が姉である【雪子】ねぇ様が助けた組織だからです」
――――――――――――――――――
「なん、やって・・・・？」
大嶽から聞かされていた
30年前、死人が出なかったのは“ある女の子の助言”があったからだと
「(こいつらが、その・・・？)」
その時、華太が目の前に迫っていた
「悪いな、これはケジメだ」
お前、そろそろぶっ倒れとけ
目にも止まらない一閃が、戸狩に刻まれた
「(怪我をしないって約束だったんだけどな)」
ふらつく体
「にぃ様」
ソッと支えた手
「・・・雛・・・来たのか・・・」
「うん・・・」
「華太ぉ！！！」
駆け寄ってくる天羽や工藤達に手を挙げる華太
「生きてますよ、心配かけてすみません」
「っ、よくやった！」
Aは手早く華太の手当てをする
その間に、城戸が戸狩に近付いた
「生きとるか？戸狩」
「・・・・なんや・・・お前が、迎えに来たんか・・・」
「だぁれがお前なんか迎えに来るかボケ。その前に俺は死んどらんぞ」
「・・・・・・・・・・・・・は？」
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かな - 雛さんはメアリー.スーヒロインですね。欠点無さそう。 (12月31日 20時) (
レス) id: 6ea7610922 (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 三毛猫の正体は文ストキャラの夏目漱石ですか？ (11月22日 21時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 続編おめでとうございます。 (11月21日 13時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水琴 | 作成日時：2023年11月20日 23時
