77)天王寺組若頭と鋼鉄の極道 ページ31
「なんや、戸狩、お前いつからこんな別嬪さんと逢い引きしてんねん」
「逢い引きでも挽き肉でもちゃいます、カシラの甘味の為ですわ」
「甘味？」
戸狩や馬渕が自分を無視してでも教えようとしなかった甘味の仕入れ先
大嶽はまじまじとAを見た
「戸狩さんの上司の方だったんですねぇ」
ふわふわとした笑顔を向けるAに背中がむずむずした
「今日はきんつばを作りましたよ、良かったらそこの公園で食べませんか？」
紙袋を見せるA
「カシラ」
「えぇやないか、頂こうか」
豚まんや栗どら焼きの味を思い出し、断る理由はなかった
三毛猫を下ろし、公園のベンチに座るA
戸狩が隣に腰を下ろし、その隣に大嶽が座る
Aは紙袋から丁寧に包まれたきんつばを取り出し、2人へ差し出した
「どうぞ、甘さは控えめにしてますが」
「あぁ、おおきに」
「ほんまにきんつばやな・・・」
包みを開け、きんつばを食べる
「「！」」
薄い皮に包まれた小豆たっぷりのあんこ
食感は、勿論、控えめな甘さは大阪の有名店を思い出させる
「お嬢ちゃん、ほんまにすごいなぁ、これお嬢ちゃんの手作りやろ？豚まんといい、栗どら焼きといい、めっちゃ美味いわ」
「お気に召されて良かったです♪」
「お姫様のおかげでカシラの機嫌がえぇから助かるわ・・・・」
「戸狩ぃ、お前俺をなんやと思ってんねん」
２人のやり取りにクスクス、と笑うA
「とは言え、少し事情があってお届けするのはもう難しいんですよね」
「？なんや、何かあったんか？」
苦笑するA
「最近、なんだか“厄介な方”が周りを彷徨いているらしく、周りから一人で出歩くなと言われまして」
「“厄介な”？」
「・・・・・・・・・・・・・」
ジッと大嶽がAを見つめた
「私は平気だと思うんですけど」
「いや、あかんよ？自分で“厄介”って言ったやん、初めて会った時みたいに怪我したら大事やで？」
「あー・・・・」
Aは、にぱぁ！と笑った
「誤魔化したらあかんよ、お姫様」
大嶽は残っていたきんつばを口に入れ、立ち上がった
「美味かったわ、おおきにな、お嬢ちゃん」
「いえいえ」
すると、Aは大嶽を真っ直ぐ見て
「・・・・・少しだけ」
「？」
「少しだけ、立ち止まって、後ろを見てみませんか？」
「後ろ・・・？」
意味深げなAの言葉
どういう事か聞こうとしたが、その前にAは立ち上がり、立ち去っていた
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かな - 雛さんはメアリー.スーヒロインですね。欠点無さそう。 (12月31日 20時) (
レス) id: 6ea7610922 (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 三毛猫の正体は文ストキャラの夏目漱石ですか？ (11月22日 21時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 続編おめでとうございます。 (11月21日 13時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水琴 | 作成日時：2023年11月20日 23時
