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7)新たな幹部と用心棒 ページ9

「動きが遅い!!」

訓練場に響く鋭い声と、鈍い音。

床に投げ飛ばされた太宰と中原。

「学習能力がない、動きが単調すぎる、力任せすぎる。もうやめる?」

「っくそ、まだまだ!!」

「まだやれます!!」

「ならさっさとかかってこい」

向かってくる二人を、Aは冷たい眼光で見据えた。


数分後、訓練場から出てくるA。
控えていた部下に目を向ける。

「医務室に運んでおいて」

「わかりました」

赤毛の男は訓練場に入っていった。

「Aや」

ゆったりとやって来た着物の美女。

「何?紅葉」

「訓練は終わりか?」

「気絶したから終わり」

平然と言うAに苦笑。

「やり過ぎて、殺してはいかんぞ?」

「ちゃんと加減しているわよ」

「なら良いがのぅ・・・それはそうと、今日はもう暇か?お茶会をしようぞ」

「そういうと思って、茶請けを作ってあるわよ」

「まことか!?そなたが作る菓子は美味だからな!準備して待っておるぞ!」

「はいはい」

ルンルンッと嬉しそうに歩いていく紅葉。
あれからAの補佐を務めた紅葉はその実力を認められ、今ではAと同じ五大幹部の一人になった。

Aは自室に戻り、置いてあった紙袋を持ち、歩き出す。

「Aさん」

「お帰り、作之助」

二人を医務室に運んでいた部下が戻ってきた。

「お出掛けですか」

「紅葉にお茶会に誘われたの。一緒に行く?」

「行っても・・・いいものですか?」

「いいんじゃないかしら、人数は多い方がいいし、何より貴方は私の補佐兼用心棒でしょう?」

「じゃあ行きます」

あ、荷物は持ちます。と言って紙袋を持つ。

「これ・・・お菓子ですか?」

「今朝焼いた洋菓子よ。あなたの所の分もあるから後で渡すわね」

「!ありがとうございます。あいつら、Aさんの手作りのお菓子の方が喜ぶんで」

「ふふっ」

数日前、この赤毛の男〔織田 作之助〕とはとある任務で出会った。
A一人でもやり遂げられる任務だったが、補佐をしていた紅葉が幹部になった事で一人になった彼女の身を案じる森が付けた下級構成員だった。
織田は友人からAの事は聞いていた。
実力は確かで、自分なんかいらなかったのではないかっと思った。
だけど、養い子たちと会わせた時に見せた優しい笑顔は、まだ子供で

守りたい

そう思った。

任務の後、首領からAの補佐兼用心棒の提案が出た時、即答で了承した。

人は殺さないが、持つ異能で優秀な用心棒だった

8)お茶会→←6)ドSの毒舌の鬼の教育係



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作者名:水琴 | 作成日時:2019年2月15日 1時

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