3)闇の花と予言 ページ5
太宰と中原が医務室からいなくなり、森とAだけになった。
「・・・あれが、期待の二人ですか?」
「今はまだまだ子供だけど、将来とても優秀な存在になるはずだ」
森は書類をAに渡した。
「・・・やはり二人とも異能持ちでしたか」
「面白い異能だろう?」
太宰と中原に関する書類だった。
「頼めるかな?」
「・・・・えぇ、勿論」
書類で口元を隠し、笑みを浮かべる。
「貴方の望む結果を出しますよ、リンタロウさん」
ーーーーーーーーーーーーーーー
ある日、Aは地下の廊下を歩いていた。
ここは捕虜などを捕らえておく地下牢。
Aは森に頼まれ、とある人物の診察に来ていた。
「失礼します」
牢に入れば、赤い髪の女性がいた。
「調子は如何ですか、紅葉様」
「最悪じゃ」
返ってきた答えは想像通りだったのか、Aは「そうですか」とだけ言って、鞄を開ける。
「・・・・・・・滑稽じゃろう・・・光の世界に行こうとして、彼の人を失って・・・自害すらも出来ずただ地下牢に囚われて生かされる・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・」
黙々と触診して、カルテに記入していくA。
「どうせ、裏切り者の妾など処刑されると言うのに、森という男は一体何を考えておる」
診察が終わり、カルテをしまう。鞄を持って立ち上がるAは初めて紅葉を見た。
「貴女は処刑されない」
「っ?」
「もうすぐポートマフィアは変わる」
「!?な、何を言って・・・」
驚いたようにAを見る紅葉。
自分を見る赤い瞳は真っ直ぐで、嘘はなかった。
「もう少し待っててください」
その数日後、首領の病死を養い子に知らされた・・・・・・
紅葉の脳裏にはAの言葉が巡る
【もうすぐポートマフィアは変わる】
160人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:水琴 | 作成日時:2019年2月15日 1時