検索窓
今日:11 hit、昨日:9 hit、合計:141,529 hit

2)幼い双黒と助手の少女 ページ4

ヨコハマにあるポートマフィアのアジトビル。

「知っているかい?中也」

包帯を巻いた黒髪の少年。

「んだよ」

ぶっきらぼうに、面倒そうに目を向ける黒い帽子を被った少年。

「このアジトに私達と同じぐらいの年齢の女の子がいるらしいよ」

「女ぁ?」

脳裏に浮かんだのは、ポートマフィアの専属医の傍らにいる赤いワンピースを纏っている少女。

「言っとくけど、エリス嬢じゃないからね」

「太宰、手前ここがどこかわかってんのかよ。マフィアだぞ。同じぐらいの年の奴がいたらすぐわかるだろうが」

「あくまでも噂だよ」


その後、二人は訓練を始めるが、からかう太宰に火をつけた中原がキレる。


「君達ねぇ・・・」

呆れたように二人の手当てをする森。

ぷぃっと顔を反らす二人。

「仲良くしろとは言わないけど、たまには喧嘩しない「「無理です」」・・・・はぁ」

即答の二人に深いため息が出る。

それでも手当てする手は止めない辺りはさすが医者である。


手当てが終わり、片付けをしていた森は思い出したように声を出した。

「そうだ、君達にはまだ紹介してなかったね」

「「?」」

「Aちゃん、Aちゃん、ちょっといいかい?」

カーテンから開けながら声を掛けた。

「はい・・・?」

少女の声。太宰と中原は顔を見合わせた。

カーテンを開けた先には、カルテなどを収納する棚の前に、ハニーブロンドの少女がカルテを持って立っていた。

少女は持っていたカルテを棚にしまい、森の隣に立つ。

自分達と同年代ぐらいで、黒のエプロンドレスを纏い、ハニーブロンドの頭にはナースキャップ。

「・・・・・・・森さん・・・幼女誘拐は駄目ですよ」

「誘拐!!?違うよ!?この子はAちゃん!知り合いから頼まれて預かった子で、ここで私の助手をしてもらってるんだよ!!」

「だからって、普通マフィアのアジトに連れてくるか・・・?」

疑いの眼差し。

「酷いよ君達!?ねぇ!Aちゃん!!」

「自業自得かと」

「Aちゃんまで!!?」

「冗談です」

ふふっと笑うAは太宰と中原を見る。

「初めまして、夏目 Aと言います。太宰 治さんと中原 中也さん、ですよね。森さんからお話は聞いてます」

赤い、宝石のような瞳に二人が映る。

これが、後に双黒と呼ばれる二人と、そんな二人を作り出した雪桜の魔女と呼ばれた少女との出会い・・・・

3)闇の花と予言→←1)養父とその弟子



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (64 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
160人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:水琴 | 作成日時:2019年2月15日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。