1)養父とその弟子 ページ3
「初めまして、Aちゃん」
どこか暗い目をした男。
「私は森 鴎外、夏目師匠に教えを受けている者だよ」
それがAの彼の第一印象だった。
「夏目師匠にこんな可愛らしい娘さんがいるなんて!よかったら私のエリスちゃんと遊ばないかい?」
暗い目から、デレデレとする森。
「森よ、儂の愛娘に手を出すなら容赦せんぞ」
「じょ、冗談ですよ・・・;;」
「・・・・・・・・・・・・・」
師匠から感じた鋭い目線にたじたじする森。
師弟のやり取りに苦笑を浮かべるAだった。
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「ポートマフィア、にですか?」
こてん、と首を傾げるA
「今の奴等は横暴の限りだが、いずれ変わる。お前にはこやつの手伝いをしてやってほしいと思う」
夏目は森をさす。
「お父様がそう言われるなら、私は構いませんが・・・・森さんはよろしいんですか?」
「もちろん、君の事は師匠に聞いている。君が良ければ、の話だよ?」
にっこりと笑う森。
「・・・・それに、そこならば、お前の力が発揮できるだろう」
「・・・・・・・・・・・・」
夏目の言葉に目を伏せ、考え込む。
「・・・・・わかりました」
「ありがとう、Aちゃん」
森は手を差し出す。
「これからよろしく頼むよ」
Aは森を見上げる。
「えぇ・・・こちらこそ」
その手を握る小さな手。
「よろしくお願いします、森さん」
ふわり、と笑顔を浮かべたAだった。
「森よ、間違っても手を出すでないぞ」
「だ、出しませんよ!?」
「お父様、いくら私が女でも、まだ子供ですよ?」
「こやつはロリコンだ」
「え゛」
一瞬協力を悩んでしまったのは、内緒である。
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作者名:水琴 | 作成日時:2019年2月15日 1時