16）黒の時代�� ページ18
「話は聞いたよ。ミミックを鎮圧したそうだね」
「・・・・・・・・・・」
「君自ら出向くとは驚いて、心配で心臓が止まるかと思ったよ」
「これが最善の方法だと判断いたしました」
「太宰くんと織田くんの逃走もかい？」
「・・・それぞれが歩むべき道へ導いただけです・・・それに、貴方もわかっていたのでは？織田作之助をミミックと戦わせようとした時点で、治がここを去る事を」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「治が抜けた事で不利益があるのは確かですが、代わりに強い戦力を引き入れました。彼らは大戦を生き抜いた実力者。私の元にいる限り、不足の事態にはならないでしょう」
「・・・・君はまるで未来を読むようだね・・・」
フッと笑い、暗い雰囲気が消えた。
「そこまで言うなら君に任せるよ、Aちゃん。私からすれば、君がいればそれでいいからね」
「えぇ、ご希望通り異能開業許可証は手に入ったのですから、宜しいでしょう？」
「その通りだよ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
「太宰くんも織田作さんも、過去の洗い出しをしなければ表には出れません。二年程地下に潜ります」
「子供は？」
「夏目幹部のお知り合いに孤児院を開く人がいて、その人に預けました。信頼できる方です」
「ならよかった」
地下の部屋に入る二人。
「すみません、こればかりはどうにも出来なくて」
「気にするな、安吾」
「そーだよ、二年なんてあっという間さ！君が徹夜で仕事しているうちに通り過ぎてるよ！」
「・・・太宰くん、そんな恐ろしい事を言わないで貰えますか・・・・」
ゾッと寒気がした。
「何をしていても構いませんが、問題だけは起こさないで下さいよ、長官にも睨まれてるんですから」
「そうさ、その長官だよ。よく許したね、私達の洗い出し」
「最初は渋ってましたが、夏目幹部が相手ですし、彼女はミミックの件で借りがある上に多くの危険異能者に対応出来る存在です。太宰くんも、夏目幹部に逆らわないでしょう？」
「勿論！！あの人怒らせると私の心がズタボロの粉々にされてしまうよ！！」
「・・・・・・そういう事ですよ」
ーーーーーーー二年後
窓辺に立つハニーブロンドの少女が電話を掛ける。
「あ、お久し振りです、夏目Aです」
「以前お願いしていた事何ですけど。はい、そろそろそちらにご連絡があるはずです」
Aは写真立てを見る。
「はい。私の愚弟子と部下をよろしくお願いします・・・諭吉さん」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 160人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：水琴 | 作成日時：2019年2月15日 1時
