9）黒の時代 �� ページ11
「リンタロウさん、私の部下を気安く扱わないで」
「で、でもね？Aちゃん・・・あ、いや、ごめんなさい・・・」
「自業自得ね」
「そんなっ、エリスちゃーん！！」
呼び出しに答え、首領室にやって来た太宰と織田。
中に入って目に入ったのは
異能である妖しい光帯びる桜の花びらを纏い、椅子に座る首領を見下す師匠であり、上司であるA
本来なら誰も、Aも逆らってはいけない相手である首領はAの冷たい眼光でオロオロ。
エリスはAの味方らしく、知らんぷり。
「お父様に訴えます」
「や、やめて！？何事だと言われちゃう！」
「諭吉さんの所に行きます」
「もっと駄目！！私斬られちゃう！！」
「ならばもっと早く私に相談して下さればよかったのです！！異能開業許可証？いくらでも貰えるようにしてやりますよ！ミミック？大戦の敗残者？ハッ！叩き潰す！」
「な、何をする気！？お願いだから危ない事しないで！？」
「そういう事だ、治、作之助」
「うぇ！？は、はいっ！？」
「はい(太宰・・・；)」
突然声を掛けられ、声がひっくり返る太宰と、いつも通りに返事し、若干震える友人を哀れそうに見る織田。
なんせ、今のAの目は、彼をなじり倒していた頃の目そのものだから。
「首領は異能開業許可証をご所望だ。異能特務課、敗残者のミミックを使って手に入れる・・・お前たちなら出来るだろう？」
流し目で、試すような妖艶な笑みを向けた。
「！は、はい！やります！」
怖いけど、師匠に求められて、期待されるのは嬉しかった。
「だ、そうよ。次余計な事したら本気で実行しますからね」
「はい、すみませんでした」
花びらを消し、太宰と織田の横を通りすぎながら、ついておいで、と声を掛けて出ていった。
「は、はい！」
「はい。失礼します」
師匠待って〜！と小走りで出ていく太宰。首領に一礼して、出ていった織田。
三人がいなくなり、森とエリスが残された。
「・・・・Aちゃん、おっかない・・・」
「勝手にサクノスケを使おうとするからよ」
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作者名：水琴 | 作成日時：2019年2月15日 1時
