【文スト×呪術廻戦】呪王の受肉の兄と宝石色の虎の妹・続 (ページ45)

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93)天使と呼ばれた少女ページ45

東京第一コロニー

Aは傑に乗って、悠仁を探して走っていた

「(確か、この辺り・・・)」

タンッとホテルの壁を駆け上がる

「い、た」

中にいた悠仁達は突然現れた大きな狼と、Aの姿に驚く

「みや！！？」

「！！」

「な、なんじゃありゃ！！？」

悠仁が開けた窓から入るA
傑は何処かへと飛び去る

「悠ちゃん、だい、じょー、ぶ？怪我、は？」

「俺は平気だよ、みや、天元様のとこにいるんじゃなかったの？」

「・・・・天元、様が、行きな、さい・・・って・・・おにぃ、ちゃん、たちに、任せて、て」

「天元様が・・・A、1人で来たのか？親父は何をやって？」

「とーじ、まき、先輩のところ、行った・・・もう、戻ってくる・・・何だか・・・嫌な感じが、する・・・・・ぅ？」

ぐぃっと手を引かれる

「？」

きょとん、とするAの顔を覗き込む来栖

「貴女・・・その瞳、もしかして・・・・！！」

「？？」

「おや、君は噂の異能使いか」

来栖の頬に現れる口に軽く目を見開く

「A、それが“天使”だ」

「・・・・・・・・・仲良し・・・」

「ふふっ、私は華と共生を選んだからね」

「人の事めっちゃペラペラ喋りますけど。それより、私の事！覚えてますか？」

「？？」

ギュッと握られる手

何かを思う目に見覚えがあった

〔騒いだり泣いたりしたらみんないなくなっちゃうの。だから静かにしないとダメだよ〕

甚爾と一緒に色んな所に行って、呪いについて学んでいた頃を思い出す

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とある廃墟
そこで呪霊に囚われた女の子達を見つけ、何をしているのか忍び込んだ事があった

「新しくつれてこられたの？」

そのうちの1人が小声話しかけてきた

「ここではね、お母さんに逆らったらダメなの」

「お、かぁ、さん・・・・？」

「うん・・・騒いだり、泣いたりしたらみんないなくなっちゃう」

目の奥に怯えが見えた

「だから、静かにしないとダメだよ」

見知らない自分を守ろうとしていた

Aはよしよし、と女の子の頭を撫でた

「がん、ばった、んだね・・・」

「え・・・」

他の女の子達を手招きして呼ぶA
みんな戸惑いながらも近付いてきた

スッと指差す方には、白い犬の姿

「“視える”、でしょ・・・？」

「？」

「ついて、行って」

「で、でもっ」

呪霊を気にする女の子達に、Aは微笑む

「だい、じょうぶ・・・“助かる”よ・・・」