25)月下獣と羅生門�� ページ27
キュルゥと瞳の瞳孔が細くなり、金色に光る
「異能力【月下獣・半人半虎】」
白い毛に覆われる手足
床を蹴れば、凄まじい速さで芥川の前を通り過ぎた
芥川の前にいた筈の鏡花の姿がなく、目を向ければ、鏡花を腕に抱くAが立っていた
囁く声に頷く
「・・・そうだね、“白”」
「？」
鏡花を床に下ろし、チラッと目を向ける
吹き出す煙、ゆっくりと沈み始める船
「懸賞金、貰えない、よ？」
「気にするな、貴様を生かして渡す気などない」
「そう」
閉じた瞼を開けば、再び金色が光る
「“白”・・・時間がないから、少し、本気を出そう」
虎化した足で踏み込めば、いつの間にか目の前にいた
「(疾い)だが無益」
鋭く伸びた爪を振り下ろすが、見えない壁に阻まれる
「！(空間の断絶？)」
芥川は隙を見逃さず、Aを捕らえる
「終いか？」
「・・・まさか」
変わらない表情
孤児院で監 禁されていた孤独な子供
異能力も満足に扱えない
戦闘経験など皆無な小娘
なのに、Aの表情から余裕が消えない
〔私の新しい部下は君なんかよりよっぽど優秀だよ〕
ブツッ
かつての師の言葉が蘇り、頭が切れる
「羅生門！！」
「！」
現れる無数の刃
「これは、」
「【彼岸桜】」
刃は小さなAの体を無数に貫いた
「かはっ・・・！」
床に叩きつけられるA
「・・・・・・・・・・」
動かないAを見て、芥川は背を向ける
「(こいつを倒したところで)」
脱出する為の船を探そうとした、その時
「・・・・もう、終わり？」
「馬鹿な・・・・完全に入った筈・・・」
見れば、煙を立てながら起き上がるAの姿
「私、串刺しにされたぐらいじゃ死んだ事ないの・・・」
穴が空いた部分を撫でれば、既に塞がり、綺麗な皮膚が見えた
「殺すつもりなら、ちゃんと頭を狙わないと・・・まぁ・・・頭の中を弄られても死ななかったから、死ぬかは・・・わからないけど・・・」
平然と立ち上がるA
「・・・この、化け物め」
「よく言われる・・・どうして、貴方は、憎んでいる、の？」
「何・・・？」
突然の質問にピクリッとする芥川
「私は、何も知らない・・・自分の事も、貴方の、事も・・・」
朝焼けの宝石色の瞳が真っ直ぐ見つめる
「でも、これだけは、言える」
真っ直ぐ見てくる目から、目が離せなかった
「この世の中に、生きる価値のない命なんてない。どんな生まれでも、どんな力を持っていても、生きて良いんだよ」
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しの - とても読みやすくて好きです！夢主ちゃん可愛い...他作品の更新で忙しいかもしれませんが、こちらの作品の更新もぜひ！！待ってます！！ (2023年3月26日 16時) (
レス) id: 47a7886cb6 (このIDを非表示/違反報告)
きんぴらごぼう☆(プロフ) - 面白すぎて一気見しちゃいました！続きまってます！ (2023年3月25日 7時) (レス) id: c534bb58ca (このIDを非表示/違反報告)
眠いちゃん - 続きをください…まじで (2023年2月28日 23時) (レス) @page36 id: acdc06f415 (このIDを非表示/違反報告)
琉亜 - て (2023年2月24日 2時) (レス) @page36 id: 5309fc8273 (このIDを非表示/違反報告)
yukihina(プロフ) - 始めまして！呪術廻戦とのコラボ面白いです!!普通に作品として沢山読みたいです！！！ (2022年12月31日 5時) (レス) id: 6f965a4945 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水琴 | 作成日時：2019年9月28日 19時
