44本目。 ページ45
リビングに出ると、夏樹はケラケラと笑いながらテレビを見ていた。
｢お風呂ありがと。
上がったから次どうぞ〜｣
｢あ、は〜い｣
ぷつん、とテレビを消してくるりと夏樹はあたしの方を向く。
あたしを見るなり、途端に目を丸くして驚いたような表情をしながらフリーズしてしまった。
え、なに。
え、なんか変！？
虫でも付いてるのかと思って体を見回すけど、何も付いてない。
夏樹が硬直してる意味がわからなくて、彼の顔と自分の体を交互に見る。
ぴくり、と夏樹の肩が動いたかと思うとみるみるうちに顔が赤くなっていく。
え、こんどはどうしたの！？
｢顔まっかっかだよ！？
大丈夫？｣
だぼだぼで手が袖で隠れてしまっているまま、あたしは彼の額に手を押し当てた。
うーん、あったかいけど熱はなさげかなぁ。
｢だ、大丈夫！！
心配ご無用、！｣
相変わらず顔を赤くさせたまま、夏樹はそう言って笑う。
そしてぺちんと自分の頬を叩いて、
｢お風呂入ってくるね…！｣
そそくさとお風呂場へのドアの中へ消えていった。
…へんなの。
さっきまで夏樹が座ってたソファにぽてっと座って、付けっぱなしのテレビに目を移す。
『爆笑！お笑いロワイヤル！』とかいうベタなお笑い番組。
しばらくぼーっとその番組を眺めた後、そういえば今日の動画…！と思って慌ててスマホを手に取った。
今日投稿するはずの動画のデータはもちろん自分の部屋のパソコンの中にあるし、
面倒くさがりな私は予約投稿なんて準備のいいこともしてない。
必然的に今日の動画は無くなる訳だ。
ツイッターを開いてみんな向けに呟く。
『今日はちょっとやらかしちゃって動画はなしですごめんね！明日2本投稿するから許して！』
簡潔な文をぴっと呟くと、途端に集まるふぁぼやらリツイート。
明日が楽しみ！という前向きなものから、
大丈夫ですか誘拐ですか！？と盛大な心配をしてくれるものまでと多様なリプが飛んでくる。
いくつかのメッセージにリプやいいねを返してから、またお笑い番組に意識を集中させた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 298人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「実況者」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リみみ - ぽきさんは北川大雅です！上からでごめんなさい (2018年6月7日 20時) (
レス) id: e4407b93c6 (このIDを非表示/違反報告)
ミルコ(プロフ) - 名無し君さん» (確かに…)て、テンパってそこまで頭が回らなかったということで！！ (2017年6月9日 7時) (レス) id: 8f15edc2e9 (このIDを非表示/違反報告)
ミルコ(プロフ) - ミッキーさん» まぜちゃん… (2017年6月9日 7時) (レス) id: 8f15edc2e9 (このIDを非表示/違反報告)
名無し君 - 鍵って大家(管理者)に頼べば合鍵で開けてくれるのでは？ (2017年6月9日 7時) (レス) id: 3a9ab4d4e9 (このIDを非表示/違反報告)
ミッキー - 『黄身ちゃんをヘラちゃんでまぜちゃん。』 (2016年12月1日 23時) (レス) id: b0dbcdb014 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
