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第2章 ページ40

少し考え込むような難しい顔をした末、凛月は「ごめん、少し我慢して」と耳元で呟いた。
「えっ? なに」
とっさに聞き返した言葉を凛月は無視し首元に顔を近づけてくる。首筋をペロリと少し舐め、牙をそこへ当てた。

冷たい牙が肌にあたり、次の瞬間『ズサッ』という効果音がアニメやドラマでは鳴るのかな?
首筋に違和感ととてつもない痛みが走った。
「痛い、何……?」
痛みの中、そう呟くが静かな部屋に溶けていくだけだ。
心はどこか、焦りや不安でグルグルと回っている中、頭では『吸血鬼』という単語がはっきりと浮かんでいる。
すぅ、と吸い込まれるような感覚がした。
「痛い痛い!」
吊り橋効果、みたいな物なのかもしれない。怖いから『痛み』を強く感じるのかもしれない。けれど、さっきよりもキツイ痛みが首元にのしかかった。
凛月の胸板に手を当て、押しのけるように叩く。涙を堪えぎゅっと瞳を瞑ると同時に凛月がゆっくりと牙を抜いた。

「やっぱり、この味」
そう呟くともう一度首筋をペロリと舐め離れて行く。『やっぱり』って言ったよね?
どういうことなんだろう……この味ってどの味?? 瞳を開け、凛月を見つめる。
「あ、あのさ……」
「ごめん、痛かったでしょ」
どうしたの、そう聞く前に言葉を遮られた。
そして、続けるようにまた口を開く。
「なにもないから気にしないで」
何か可笑しなことでもあるのか、少し難しい表情を浮かべている凛月。『何もない』って言ってるくらいだから聞かない方がやっぱりいいの?
とっさに『うん』と頷くと凛月は横を通り抜けていった。

しばらくその場で立ち尽くし、気が付いた時には鼻血はもう止まっていた。血で汚れた顔に首にはかさぶたができブラウスに赤いシミがついている。

我に返って、冷たい水で顔を洗う。
顔は綺麗になった。が、そのあと直ぐにブラウスを洗うが落ちない。
「まあ、いいか……な?」
独り言をいいつつ、できる限り血のあと期末をする。
その間中、あの言葉の意味を必死に考える。
二人は本当の吸血鬼らしくて、凛月が血を飲んだ……まあ、今まで起こったことはそういうこと。でも……
あの『やっぱり』これはどういう事なんだろう。帰ってきた時に何か疑問に思うことでも?

そういえば、ふと思い出した。

零と何があったか、そんなことを聞かれたよね。零と関わりのあることかぁ。

なんだろう、なにもない。
……もう、いっそのこと零と凛月にすべて聞くべきなのか?どう見たって何か隠してるもんね。

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ももいちご。(プロフ) - 柊葉 美恋さん» いえいえ! 頑張ってください(^^♪ (2017年5月28日 23時) (レス) id: ade25ba987 (このIDを非表示/違反報告)
柊葉 美恋(プロフ) - ももいちご。さん» 擬人法と情景ですね…ありがとうございます!お礼遅れてしまい申し訳ありませんでした!これからも頑張ります。 (2017年5月28日 22時) (レス) id: 9d30e55e48 (このIDを非表示/違反報告)
ももいちご。(プロフ) - 少しずつ入れていくといいのかもしれません。あと、擬人法もあったほうがより味のある小説になると思います!! このくらいのアドバイスしか出来ませんが、これからも更新頑張ってください(´˘`*) (2017年5月8日 22時) (レス) id: ade25ba987 (このIDを非表示/違反報告)
ももいちご。(プロフ) - イベント参加ありがとうございます! あんスタは友達が好きなので少しは分かりました! 面白かったです! 1つアドバイスさせていただくならば「情景」が物足りなかったかな…と。しかし入れすぎてもこの小説の雰囲気を壊してしまうので、 (2017年5月8日 22時) (レス) id: ade25ba987 (このIDを非表示/違反報告)
柊葉 美恋(プロフ) - 日向サクさん» コメントありがとうございます!背後からギュは王道よね〜。期待に答えられるよう零が登場してくるところを増やして行きます!これからも宜しくお願い致します! (2016年10月19日 18時) (レス) id: 9d30e55e48 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柊葉 美恋 | 作者ホームページ:(*/□\*)  
作成日時:2016年10月10日 15時

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