異国の地で運命に巡り合えた話

#46 ページ46

.



「…あ、これがいいかも」



クリスマスで賑わうクリスマスマーケット

11日に誕生日を迎える彼へのプレゼントを買いに来た

欲しいものは？と聞けば私の名前を出すような物欲皆無の彼へ

なにか良いものがないかとキョロキョロ見渡す




「…あっ」



すると、目の前で人にぶつかり転んだ女性が目に映った




『大丈夫ですか？』


とっさに駆け寄って手を差し伸べた

観光客らしき二人組…あ、日本人かな？



「お怪我はありませんか？」

「えぇ…大丈夫です」

「立てますか？私に捕まってください」




私のお母さん世代だろうか？

怪我、してないといいけど…

とりあえず座りたい、という2人にカフェの場所を聞かれて案内する

イタリア語はさっぱり…という2人にお礼したいから！と同席を求められてコーヒーをいただいた


そして世間話へ笑



「息子がイタリアでスポーツをしててね。不安になって来てみたの」

「あ、そうなんですか？会えましたか？」

「明日会うの！試合やるみたいだから…こっそり笑」

「ユウくん怒るだろうしね笑」

「イタリアにきてまだそんなに経たないし…心配でね」




息子さんの話をうんうん、と聞けば時間はあっという間に過ぎる




「ありがとうね！付き合ってくれて！」

「いえ！とても素敵なお話が聞けてよかったです！」

「息子も貴女みたいにしっかりとした彼女が出来れば安心なのに…」

「ユウくんに怒られるわよ？笑 うるさい、って」

「そうね笑」





2人とは別れて再びプレゼント探しへ


『…あっ」

『いらっしゃい！！』

『これください！！』




ふと目に入った普段用の靴



"ーーうわ、かっこいい"



それは雑誌で見て祐希がいいな、と言っていたもので




『ありがとう！』




悩む暇もなく購入していた






.

#47→←#45

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す