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#15 ページ15

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「ーーAちゃんこんにちは」



中学2年生の春

日本から、両親の仕事の都合でイタリアにやってきた

イタリア語なんて話せないし、外を出歩いて迷子になるのが怖くて引きこもっていた



そんなある日、母親が連れてきた1人の日本人



「橘海斗です。よろしくね」



私にイタリア語を教えてくれるお兄さん
歳は確か3つ上で、とても優しくてかっこよかった





「…海斗くんあのね!今日ね!」



週3日、彼がくる日は朝から元気になれた
それくらい、懐いていたんだ


そしてすっかり日常に困らないほどイタリア語が話せるようになってきた頃




「…Aちゃんは、俺の事好きなんだね笑」

「うん!大好き!」

「じゃあ付き合っちゃおっか!」

「…へ?」





付き合う、という言葉の意味もまともにわからずに恋人となった中学3年
彼はいろんな事を私に教えてくれた



誰と歩いても灰色で埋め尽くされていたはずなのに

彼と一緒に歩いたイタリアはとても綺麗に目に映った

楽しかった。毎日が物凄くいいものになった感じがした

…全てが愛に満ち溢れている気がしていた。


そんな甘酸っぱい関係が続いていた高校2年生。とある場所で彼を見つけた私

いつもとは違い、大人びて見えた海斗くんは

大人の女性と腕を絡ませて歩いていた

そんな彼の腕を取り、なんで?と声をかけた






「ーー"優しくしたのは、それがバイトだったから。

別に年下に興味なんてないし、俺に懐いてきたから遊んでやっただけ
まぁ顔は可愛いし、隣に連れて歩いても悪い気はしないし

でももう飽きた。ガキはつまんないんだよ
優しくされただけで愛されてるとか勘違いしちゃって笑 馬鹿じゃねーの?"



…そう、彼に言われた」



涙は枯れたのか、どんなひどい言葉を思い出しても
頬を流れる事は無くて。

淡々と話せば彼に再び、ぎゅっと抱きしめられる




「…辛い事思い出させてごめん」

「だから、祐希くんの気持ちには答えられないの
きっと、イタリアでたまたま会ったのが私ってだけで…恋なんかじゃないよ。それは」

「そんなことない」

「そんなことある」

「俺の気持ち、勝手に決めつけないで。
Aがかなり傷ついたのは今のでわかった。…でも俺の好きって気持ちは俺が一番わかってるから

進もう?前に…俺と一緒に」



…あぁ、閉じていた蓋が開いた音がした




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設定タグ:バレーボール , 石川祐希   
作品ジャンル:恋愛
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まりん(プロフ) - 覚えて頂いているなんてありがとうございます!!めちゃめちゃうれしいです(^。^)応援しています! (2019年11月15日 12時) (レス) id: b59f2ee03b (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - まりんさん» まりんさんだ!!いつもコメントありがとうございます!ただ今頑張って執筆してます笑 いつもありがとうございます(*´ω`*) (2019年11月14日 19時) (レス) id: 1f1f253b37 (このIDを非表示/違反報告)
まりん(プロフ) - とてもいいお話で続き気になります!頑張ってください! (2019年11月14日 12時) (レス) id: b59f2ee03b (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - yumi06300658さん» こちらこそ読んでいただきありがとうございます!先程更新させていただきました^ ^ (2019年11月11日 17時) (レス) id: 1f1f253b37 (このIDを非表示/違反報告)
yumi06300658(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございます。次回楽しみにしています。 (2019年11月11日 15時) (レス) id: 127c71edcd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:aaako | 作成日時:2019年11月9日 8時

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