#13 ページ13
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「…おまたせ」
仕事終わりに呼び出された
あのあと、彼は2年前と変わらず…まるで元に戻ったかのように私に接してきた
変わったのは少し大人びた雰囲気と、ペラペラのイタリア語だけ
あとは全て変わらなかった
閉店したお店の前
私服で祐希くんの元に駆け寄れば、彼は怒った顔で私を見る
「なに?なにか、って」
「えっ?」
「携帯も変えて繋がらないしまじ何?俺がイタリアから日本に戻ったら0になるの?あり得ないんだけど」
「いや、あのっ…」
「やっとイタリアに来ても俺には車とかの手段が無いから前のお店にも行けなかった。
何の手がかりもない。そんな俺の気持ちわかる?」
「…探してくれたの?」
「探すに決まってんじゃん!馬鹿なの?」
「…なんで?」
「…やっぱり馬鹿なの?」
好き、っつったの忘れたの?
そう口にした彼は街灯によって照らされる
私の鼓動は速くなるばかりだ
「とりあえず俺んち行こう」
「えっ?」
「え?じゃない。まだ言いたいことはあるの!とりあえず外寒いし俺風邪引く
…あ、料理作ってくれるのはいいけどね」
有無を言わせずに手を引く祐希くん
大きな掌ががっちりと私の腕を握りしめる
歩いてすぐ。
立ち止まった先にはお洒落なアパート
その一室に案内される
どうぞ、と通されて玄関で靴を脱いで室内へ
どこに座ればいいか分からずにいれば、部屋の奥にあるソファに誘導される
その端に座れば…かなり近い場所に彼が座った
「ここ、店からかなり近いっしょ?」
祐希くんがつけたテレビは、ちょうどバレーボールの試合が放送されていた
「うん」
「いつでも来ていいよ笑」
「…そういうのは恋人に言って」
「じゃあなる?俺は大歓迎だけど」
「何言ってんの?冗談はやめて」
「冗談に聞こえた?…じゃあこうすればいい?」
「ーきゃっ」
隣の彼が近づいてきた。
私の横も後ろも壁で…顔が近いっ…!!
「壁ドン、っていうの。日本では大ブーム」
「…どいて」
「じゃあなる?彼女」
「…どいて」
「なるの?ならないの?」
「…勘違いして「してない」」
うるさい、と呟いた祐希くんの唇と
私の唇が重なった
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まりん(プロフ) - 覚えて頂いているなんてありがとうございます!!めちゃめちゃうれしいです(^。^)応援しています! (2019年11月15日 12時) (レス) id: b59f2ee03b (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - まりんさん» まりんさんだ!!いつもコメントありがとうございます!ただ今頑張って執筆してます笑 いつもありがとうございます(*´ω`*) (2019年11月14日 19時) (レス) id: 1f1f253b37 (このIDを非表示/違反報告)
まりん(プロフ) - とてもいいお話で続き気になります!頑張ってください! (2019年11月14日 12時) (レス) id: b59f2ee03b (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - yumi06300658さん» こちらこそ読んでいただきありがとうございます!先程更新させていただきました^ ^ (2019年11月11日 17時) (レス) id: 1f1f253b37 (このIDを非表示/違反報告)
yumi06300658(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございます。次回楽しみにしています。 (2019年11月11日 15時) (レス) id: 127c71edcd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:aaako | 作成日時:2019年11月9日 8時