翼の折れた守護神の下克上

#33 ページ33

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「やべーやべー…」



キャプテンに悪戯することで頭がいっぱいな俺は

だいっっじなスポーツタオルを忘れた

…しかもキャプテンの



洗って返せ！！と怒られて取りに戻った体育館には、ボールの音が響いていた





「ーー西田やぁぁぁぁあ！！」

西田「！？…もうやめてや！！びびるから！！」

「なーにしてんの」




コートを見ながら座る有志の隣に座る

すると、ポツリポツリ気持ちを吐き出しはじめた





西田「…もっと、強くなりたい」

「ほう」

西田「祐希さんみたいに、もっと。



サウスポーの強みも、何もない
俺は全然強くない」




…えー！！病んでんじゃん！！




「有志の思う強いスパイカーってなに？サーブが上手い？スパイクがどんどん決まる？」

西田「サーブもだし、スパイクも。何でもできる人

…Aはどう思う？」

「俺ぇ？俺はー…


どんな状態でも逃げないやつ」

西田「逃げない？」

「点数を取ることから逃げないやつ
だから俺からしたら祐希も有志もみーんな強いよ。

お前まだ19だろ？ガムシャラにやれよ笑
チームの立て直しとか、そういうのは上がやってくれるから
好きに暴れてろって。お前は今一番無敵なはずだから」

西田「無敵？」

「データは無い、最高な仲間がトスをあげてくれる。お前は未知数なんだから。



じゃあさ？少し練習すっか」

西田「えっ？練習？」

「何でもできる奴になりたいんだろ？
なら下手くそな俺のトスでスパイクしてみろよ

俺ので出来るなら、関田や藤井さんの乱れたスパイクなんてチョチョイのちょいだろ？」

西田「まぁ……ねぇAはさ、もう打たないの？」

「…今俺、どんなやつが強いっつった？」

西田「どんな状態でも逃げないやつ？」

「そう。


俺は逃げたから。怪我を理由に逃げた。
だから打たねぇんじゃなくて打てないの！
怖いんだよ。またなるのが



…さ、やるか！
今日練習でライト側やってたよな？
レフト側で練習する？サウスポーだから左側から攻撃はないって思われんのムカつくじゃん？

やっちゃえ、西田有志よ！笑」







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