[銀魂]覚えていてね。3[坂田銀時]

逃げ出したくても後の祭り ページ37

始まりは、この一言だった。

「そういえばAさん、あの戦が終わった後どこにいたんですか？」

「…え？」


あの戦いのあと、深手を負っていた私は局長の計らいでしばらくの休暇を貰っていた。

久し振りに万事屋へと足を運び今日も仕事のないらしい三人と雑談をしていたとき何を思ったのか急に新八くんが言い出したのだ。

返答次第では目の前にいる私の恋人に首を絞められかねない。

「お前、何か隠してんだろ。」

「いや、別に何も隠してないけど。」

「怪しいな。」

「A、全てを話した方が身のためアル。」

ぐっと顔を近づけてきた神楽ちゃんと銀時。

もう明らかに怪しまれているこの状況を切り抜ける術はあるのだろうか。

“ピンポーン”

「あ、誰か来たよ？私出てくるね！」

「あ、おい！」

「逃げたネあいつ。」

後ろから何か声が聞こえていたけど私は無視して急いで玄関へ向かった。

「はーい、どなたですかー？」

「あ、すいませーん、銀時くんいます、ぶっ？！？！」

何で、何でこいつがここにいるんだ。

つい反射的に手が出てしまった。

「桂…」

「お前、真選組副長補佐夜咲Aではないか！！
体の怪我はもう大丈夫なのか？」

「あ？ヅラ？なんでてめーがこいつの怪我のこと知ってんの？」

大きな音で驚いたのか居間から顔だけ出した銀時が訪ねた。

「ああ、瀕死状態だったこの女子を見つけ介抱してやったのはこの俺だからな。」

「は？！」

あー、これ終わったな。

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