[銀魂]覚えていてね。3[坂田銀時]

話をしよう ページ3

2人事情聴取するうちの、まずは私たちが捕まえた方の男から話を聞くことになった。

「体調はどう？」

「…あのときの女か。」

沖田か副長に殺られたのであろう右腕にはグルグルと包帯が巻かれていた。

しばらく刀を握るのは無理そうだ。

「あなたはクロユリの一員、間違いないね？」

「…。」

やはり、なにも話さないか。

前にも言った通り、クロユリは残虐的な組織。

そのメンバーには仕方なくクロユリに入った人物も大勢いる。

多分、この人も。

「本当はあんな組織に入りたくなかった？」

「っ、」

目が泳いでいる。図星か。

「クロユリに所属する団員には2つのタイプが存在する。1つは、殺人や人を殺すことを楽しいと感じる者。もう1つは、何かしらの理由で入らざるを得ない者。あなたは後者ね？」

あからさまに動揺しているのが見て取れる。

「あなたが話すことで、私たちはあなたを助けられる。絶対に。」

目を合わせて、私は笑った。

男が私を警戒しないように出来る限り優しく笑う。

「…話して欲しい。」

「お、俺には…子どもがいるんだ。だが、クロユリの奴らに連れていかれちまった。
必ず、連れ戻してくれると約束出来るのか…？」

「真選組、舐めてもらっちゃ困るよ。」

「ふっ…そうか。」

いままで仏頂面だった男の顔に笑顔が見えた。

それはとても人を殺めるような人相には見えなくて、1人の父親としての顔だった。

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