[銀魂]覚えていてね。[坂田銀時]

・ ページ48

｢…どういうことですかィ、俺ァ別にいつも通りでさァ。｣

俺も変わらず、お咲を見た。そのとき＿＿＿＿


｢っ、｣


頭を鈍器で殴られたような、そんな感覚が頭を襲った。

だって、お咲が『夢の中のあの人』に似てたから。

今までに見たことのない真剣な表情で、あの男に向き合っていた。

喋り方もいつもの敬語のふわふわした感じじゃない。

でもその話し方に違和感があるわけではなく、むしろ懐かしさを感じた。




『まずは、どんな相手でも話を聞くこと。

話の中で絶対にボロを出すからそれを逃さないこと。

材料が揃ったらそれを相手に突きつける。

絶対に折れちゃダメ。相手が逆ギレしてきたり、目線が上に行ったり、手で口元を触ったりしたらそれは嘘をついている合図。

そこまできたらもうこっちのもの。

後は徹底的に落とすだけ。いい？』


｢…おい、総悟。彼奴…一体何者だ。
素人にしては話の仕方や持っていき方が上手すぎる。｣


土方さんの話す言葉が右から左に流れていく。

お咲が何者か？そんなの俺が聞きてェよ。

何も返せず、ただただ前を見つめていると土方さんが俺の方を見た。



｢…総悟、顔色が悪いぞ。｣


｢土方さんアレルギーが出てきちまった見たいでィ。ちょいと休んできまさァ。｣


土方さんのやいやい言う声を背中越しに聞きながら、俺は部屋を出た。

やっと、→←らしくない。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す