[銀魂]覚えていてね。[坂田銀時]

心配事とその理由。 ページ37

Side Okita


｢ふぁあ…｣

頭の後ろで手を組み、今日はどうやってサボろうかなんて頭の中で考える。

まあ、どうせ考えても結論はあの団子屋なのだが。

｢うお、｣

｢げ、｣

朝飯がまだなので食堂に向かっている途中、曲がり角で同じく食堂に向かっているらしい土方さんと出会ってしまった。

こういうのは美少女って決まってるもんじゃねーのか、なんて心の中で舌打ちをかます。

まあ、その美少女も男所帯の屯所では無理な話だけど。

｢おい総悟、｣

声を掛けられたけど、きっとまた始末書やれだの見廻りに行けだのごちゃごちゃ言われるだけだと思ったから無視して行こうとした。

｢おい、総悟！｣

｢チッ、なんでィ。｣

｢今舌打ちしたよな、今舌打ちしたよなァ？！｣

｢まあまあ、そんなにカリカリしてると早死しちまいやすぜ。まあ、その方が俺としては有難いんですが。｣

｢ほざけ、絶対ェテメーより長生きしてやらァ。｣

｢で？用件は何ですかィ。下らねぇことだったら承知しやせんぜ。｣

俺がそう言えば土方さんは懐から煙草を取り出し、火をつけた。

俺の嫌いな煙草の匂いが鼻を掠める。

｢最近ここらで起こっている事件のことは知ってるよな？｣

女子供を執拗に狙う強盗殺人事件のことだろうか。

｢そいつ等が昨日の晩、ある女を襲ったらしいんだ。｣

そこまで土方さんが言ったとき、何かすごく嫌な予感がした。

その先の言葉を聞きたいけれど、頭のなかで危険信号が鳴っている。

誰かが、その先を聞いてはいけないと言っているようだ。

｢通報を受け、隊士が調べたところ＿＿＿＿｣









｢前にお前に会いに来た女だったそうだ。｣

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