・ ページ29
____後ろに、誰かいる。
そう気づいたのは、ついさっきのことだった。
お雪を送ってしばらくすると、僅かに足音が聞こえたのだ。
私が走れば走って、止まれば足音も止まる。
誰かが私をつけているのだ。
人数は一人、勝てる可能性はあるけど私は今武器になるようなものを何も持っていない。
護身術は人並みって感じで、別に強いわけでもない。
それに恐らく、相手は男。
こちら側の勝率のが低いだろう。
かと言って、このまま家に帰れば住んでいるところがばれてしまう。
ここはもう、一か八か…。
「ねえ、居るんでしょ?さっさと出てきな。」
「ああ、分かってたんだ。」
黒い傘をさし、街頭に照らされた顔は不気味に笑っていた。
見た感じ、私と歳はあまり変わらないだろう。
背は銀時とあまり変わらないけど、男にしては細い体をしていた。
「何の用?あれか、私のストーカー。」
「笑えないね、第一僕がなんでお前なんかを好きになるのさ。」
そ、そんな真顔で言わなくても…。
内心ちょっと傷ついたぞ。
「僕はね、主の命令で動くんだ。今日はその命令できた。内容は____」
____夜咲Aを、消すこと。
そういった瞬間、男は私に飛びかかってきた。
咄嗟に差していた傘を閉じて攻撃を防いだ。
腰に帯刀をしていたから、武器は刀。
刀だったらこの傘がもつのも少しの間、か…。
「よっ、」
「ぐっ、!」
傘を振りかぶり、男を横に飛ばす。
私の動きが予想できていなかったらしく、モロに攻撃を喰らっていた。
「っ、た…。」
「ねえ、あなたの言う主って誰のことなの?」
「教えるわけ、ないでしょ…。」
また刀を使い攻撃しようとしてきたので、その刀を素早く奪い取り、首元に突きつける。
「ねえ、教えて?」
「やだ。」
そう言うと、男はまた不気味に笑った。
視界にかすかに写ったのは、キラリと光る何か。
あれは…
《パァンっ!》
《ドサッ…》
「ねえ、一つ教えてあげる。
____お前に味方はいないんだよ、夜咲。」
暗くなっていく視界の隅で、男が言った。
その言葉は、やけに頭に残った。
みんなから忘れられたあの日から、私の味方は誰ひとりとしていなくなっていた。
私は、一体どうしたら____。
282人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふー - 面白いです!更新頑張って下さい!後名前変換が途中で出来ていないところがあります。面白いので期待しています!これからも頑張って下さい! (2017年12月30日 17時) (レス) id: edcc26f827 (このIDを非表示/違反報告)
巫女@桜(プロフ) - 塩さん» ありがとうございます!更新頑張ります! (2017年12月24日 17時) (レス) id: 33d27005e4 (このIDを非表示/違反報告)
塩(プロフ) - 先がとっても気になります!更新楽しみにしてます! (2017年12月23日 21時) (レス) id: 96f7dda77e (このIDを非表示/違反報告)
巫女@桜(プロフ) - 金太郎さん» ありがとうございます!頑張ります! (2017年11月26日 7時) (レス) id: 33d27005e4 (このIDを非表示/違反報告)
金太郎(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください(^-^) (2017年11月26日 6時) (レス) id: 5319d2ceb9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:巫女@桜 | 作成日時:2017年4月9日 22時