酸化した舞台から飛び降ります。【A3!】

課題は舞台の上で ページ11

一成｢はいはい、次オレね。三好一成、大学2年。
演劇経験はゆっきーと同じくなしっす｣


嫌な感じになっていた空気は一成によって、緩和された。


『……良かった』

一成｢……｣


小声で言ったのが聞こえたのか、一成は私の方に向けて笑顔を見せた。……プレイボーイだ。


いづみ｢次はええと、向坂くん？｣

椋｢は、はい！
向坂椋、中学3年生です。演劇経験はありません｣


終わりにつれて、段々と声が小さくなる向坂君。
もっと自身持てばいいのに……。


天馬｢素人ばっかりかよ。こんなんで本当にオーディションになるのか？｣

いづみ｢次は天馬くん｣

天馬｢今更紹介なんて必要ないだろ。さっき、言った｣

いづみ｢一応、改めてお願いできるかな。舞台の経験も聞きたいし｣

天馬｢……皇天馬、高校2年。
役者としては15年……舞台経験はなし｣

いづみ｢なし？一度も？｣

天馬｢オレ、基本映画メインだから｣

一成｢かー！かっけー！テンテンの両親も映画スターだし、番宣とかもほとんど出ないよね！｣

天馬｢……まあな｣

いづみ｢じゃあ次はAね！｣

『花園A、高校2年生。舞台経験は………一応ある』


今から演技をするんだから。しっかりしないと！


いづみ｢それじゃあ、今から簡単な課題をやってもらうね｣

天馬｢課題って、舞台の上でやるのか？｣

いづみ｢うん。そうだけど……？｣


やっぱり、舞台の上か……。


いづみ｢どうかした？｣

天馬｢いや、なんでもない｣

いづみ｢それじゃあ、【おはよう】っていうセリフを喜怒哀楽の4つの感情で言ってみてくれるかな｣

いづみ｢まずは、幸くん｣

幸｢はーい｣


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幸｢こんな感じ？｣


幸の演技は声を上手く使って、トーンを変えてしていた。度胸もあって、勘もあって…すごくいい感じだった。


いづみ｢じゃあ、次はーー｣

天馬｢学生レベルだな｣

幸｢はあ？さっきから、いちいちーー｣

『…今はオーディション中だから私語は控えた方がいいと思います、よ？』

天馬｢ふん｣

いづみ｢じゃあ次は一成くん｣

一成｢ういー。えーと、喜怒哀楽だっけ。まずは…｣


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一成もセリフが変わってたけど、いい感じだった。

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