融解。【地縛少年花子くん】 (ページ5)

今日:7 hit、昨日:5 hit、合計:167,269 hit

5回目ページ5

．

また放課後がやってきた。

ため息をついて旧校舎の3階女子トイレに向かおうとしたその時、なんと目の前から花子さんがこっちにやってきた。

「A、みーつけた。良かった、入れ違いにならなくて。急で悪いんだけどちょっと手伝って欲しいことがあるんだけどイイよね？」

そうして花子さんに着いて行って着いた場所は旧校舎のとある教室。

「ね、あれ分かる？」

「…………タオル？」

「そ、勿怪が盗ってきたもの回収ちゅー」

…というより花子さんって浮けるんじゃないの？

「やー、それがそんな高くまで浮けないんだよね俺」

「？？
今、口に出してないのに、」

「あはは、顔に書いてたよ。お、ばーか、さん」

ツンっとまた唇を撫でられ、慣れてない事に身体が竦む。

「なぁに、今頃緊張してるノー？」

「…してない」

そっぽ向いてそう言うと花子さんは吹き出すように笑って目の前でしゃがんだ。

「え、な、なに？」

「俺が肩車するからAが取って？」

……肩車？花子さんが私に？
てことはつまり、両肩に私が乗るわけで体重がモロに、

「む、むり」

「だァいじょうぶ、Aのことならぜーんぶ知り尽くしてるんだから」

「…体重も？」

「ウン、…言ってほしい？」

「…………ヤダ」

花子さんの言葉を信じるなら体重は既に知られているらしい。

渋々、両肩に乗ると一気に立ち上がった花子さん。上半身のバランスを崩して落ちそうになり、咄嗟に花子さんの頭に抱きつく。

「………………」

「花子さん？」

「Aサン、当たってるんデスケド」

当たってる……？
私の今の格好を見てみると上半身はほぼ花子さんの頭に密着しているし太ももは花子さんの首あたりを挟んでる。

「あーもー、なんで分かんないかなぁ。
女のコ特有の柔らかいアレ、俺の頭に当たってる！別に俺は良いけど！」

「……おりる」

「ちょ、待って待って！せめて下りるなら取ってからにシテ！」

それから花子さんに右、左、と指示を出して動かさせて上にあったタオルをなんとか取った。

「花子さん、下りるからしゃがんで」

「……俺がしゃがめないと下りれない？」

「そりゃあそうでしょ」

怖いし怪我したくないから飛んでまでして下りたくない。
だからここは花子さんにしゃがんでもらって下りるのが一番良いのだ。

「どーしよっかなあ、俺はこのえっちな太ももに挟まれてるし柔らかいのも当たるしハッピーなんだけど」

「……」

単純に殺意が湧いた。