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22回目 ページ22







これは俺の独白。
全部俺の身勝手な自己中な妄想。


蜂蜜色のフワフワした髪の毛だって、俺の名前を呼ぶその声も、ホワリって赤くなる頬も全部が好きで。

口の中には飴玉が入ったまま。
気絶したまま呑み込んで窒息死とかは流石に避けたいからまた口を合わせて舌を動かして飴玉だけを抜きとる。



「っん、……」



頬を撫でるとくすぐったそうな声を出してほんのちょっとだけ口角をあげるそれが好き。
中々素直になれないところも、太ももがえっちなところも。
ぜーんぶ好き、だからAのそれも俺だけに向いてくれればいいのに。

だいたい、Aが俺のところに来て俺を呼び出さなかったら会うことなんてなかったし、存在を知ることすらなかった。
それでも俺が知れたのはAが俺を呼び出したからで。そのまま契約を結んでそれの代償として無理やりに繋ぎ止めた。



「あれっ、あまね…最後までシなかったんだァ」



近くで耳馴染みのある声が聞こえたと思えばつかさがそこに居た。

ぐっすりと眠ってるAの姿をちょっとだけ見た後に俺とそっくりな顔でニタリと笑った。



「……つかさ、」

「あ、オレのこと知ってて遠慮シテル?ならだいじょーぶ、オレは後から楽しむタイプだからサ、」



後から楽しむ、つまりはハジメテじゃなくてもいいってこと。

俺の気なんて知らずにすやすや眠るAを抱き寄せて、頬に口付けをする。
……コレはあくまでも、保険。そう保険だから、別にそんなつもりじゃなくてもそうだとしても。



「普、知ってる?
カタカナの唇って柔らかいし、カタカナから流れる血もオイシイし、涙はちょっと塩っぽいけどすっごく美味しいンだよ。オレを見て怖がって泣いちゃうのとか、可愛いよね!でもいちばんスキなのは、」



恍惚に浸る表情を見せて手を口元に当てて笑ったつかさ。



「キモチイイの我慢してオレの名前を呼ぶカタカナのぜんぶ、って言ったら普はどうする?」



……そんなの、全部知ってる。いや知らないとしてもAは、違う。



「…………別に。
でも、Aは俺の。やっと繋ぎ止めたから絶対に渡すわけにはいかない」



いくつかの赤い痕がついた白い首筋を撫でてまた新しい痕をつける。

もう隠せないくらい、いっぱいになっちゃえばいいのに。その方が俺の、俺だけのAって感じするじゃん?

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作者名:ろい | 作成日時:2020年1月21日 0時

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