6.がんばらない ページ7
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「…………」
「……ん?白鷺、どうかしたかー?」
ジッと見てることに気づいた瀬見さんが私に声をかける。そして、フィッと視線を逸らす。
「や、なんでもないデス」
他愛もない話をしながら、寮に着いた。男女別の寮だから途中で別れたけど。
大体は2人部屋だけど私は1人部屋。二段ベッドの下の方に座ってドーナツの形をしたクッションを抱く。
「明日のこと、柄にもなく楽しみに思ってるとか……やば、」
ふつーにスポーツを見るのは好き。するのは嫌だけど。
半ば強引に目を閉じながら、眠れるようにがんばる。でも、夜は目が冴えて眠れない。
……。
机に置いてあるスマホを取って、トークアプリをタップする。大体の確率で一番上の欄には「白布」の文字が。
もう22時30分だし、迷惑かな。そう思ってスマホを机に置いた瞬間、部屋中にバイブ音が鳴り響く。
「……うわぁ、みらくる」
スマホの画面には、白布の文字。シンクロしてるのかな、遺伝子レベルすぎる。女子高生的なことを思いながらスマホをまた手に取る。
「……もしも、」
「おそい」
電話に出るなり、辛辣な言葉。……まぁ、戸惑って待たせちゃったし。
「ごめんって〜」
「いや、…もしかして寝てた?でも白鷺に限ってそれは、」
「ないねぇ」
「だよな」
夜は目が冴えすぎて寝れないよ。だから朝は大抵、
遅刻気味なんだろうけど。
「…テンション高いな」
「柄にもなく楽しみだから、じゃない」
少しだけ素直に言える、多分それは夜のせい。……深夜テンション怖い。
「……横、誰かいる?」
「聞こえてんの?」
「若干ね、何か書いてる?」
「あー、太一。宿題終わってないとか言ってる」
「手伝ってあげないわけ?」
「してない奴が悪い」
至って白布らしい応えに少し笑う。もうほんとずっと夜でいいのに。
「白鷺は宿題終わってんの?」
「前日に終わらせる主義だしー」
「そういう所は優等生」
「そういう所も、デショ」
こうやって軽口を叩けるのは好き。白布だったら尚更、心許してる数少ない友人だし。
「ね、白布」
「なに?」
「……いやなんでも。じゃー、おやすみ」
「ん、おやすみ。明日の放課後忘れんなよ。
おい、太一、先にしゅくだ、」
面倒な気配がしたから、切った。……ちょっと気になったけど。
「あ、もう切れてる」
「ジャージ……」
「諦めろ」
「彼ジャー……」
「あ、き、ら、め、ろ!!」
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ろい(プロフ) - ヒナさん» 果たしてオチはあるのか…??(すっとぼけ顔)コメントありがとうございます、更新頑張ります! (2020年6月24日 21時) (レス) id: 9883bc7676 (このIDを非表示/違反報告)
ヒナ - 落ちはあるのか…?あるなら白布がいいなぁ、夢主可愛い!更新頑張ってください! (2020年6月7日 12時) (レス) id: fe45ff59f5 (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - ryonさん» 可愛いですよね分かります(真顔)。応援ありがとうございます! (2020年3月8日 13時) (レス) id: 9883bc7676 (このIDを非表示/違反報告)
ryon - え?夢主ちゃんて、可愛いすぎ、、 めっちゃ応援してます! (2020年3月6日 9時) (レス) id: 89b2666c2a (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - 青い夕日さん» ありがとうございますううう!!自分で書いてて言うのもなんですけど夢主ちゃん可愛いですよね!!更新頑張ります! (2020年3月5日 22時) (レス) id: 9883bc7676 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろい | 作成日時:2019年3月8日 22時