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「あーっとバント!?
今度はE組が地獄を見る番だ!!」
初心者のバントではなく列記と練習をしている者のバント。同じ小技なら尚更、実力差が出る。
「あっという間にノーアウト満塁だー!一回表のE組と全く同じ!!最大の違いは!!ここで迎えるバッターは我が校が誇るスーパースター進藤君だ!!」
…まるで怪物。
之を演出する為だけに彼にずっと洗脳をかけていたのか。
「磯貝、徳永ちゃん、カントクから指令〜」
小走りできた赤羽くんは驚愕の一言を口にした。口元を手に当てながら、彼の方向を見据える。
「ま、徳永ちゃんは無理にしなくていいと思うけど。俺等のフォローって言っても1番危険性があるからね」
「Aは女の子だし万が一のことがあったら…」
「様子見、というより参加してみたいかな。しなきゃ確率が下がるんでしょ?」
そう云って彼の方へ歩み寄る。足を止めた場所は彼の目の前。バットの長さを見るにギリギリで避ければ佳い感じかな。…まぁ、元々当たる気は無いのだけれども。
「こっ、この前進守備は!!」
「明らかにバッターの集中を乱す位置で守ってるけど、さっきそっちがやった時は審判は何も言わなかった。文句ないよね、理事長?」
あの時の挑発がまさかこのための布石だとは誰も思わないだろうなぁ。…殺監督はここまで分かっていて私たちに挑発させたってことになるけど。
まぁ今回は黙認するしかないよねぇ。
「ご自由に、選ばれた者は守備位置位で心を乱さない」
理事長先生の許可が取れたことでまた笑う。
「じゃ、遠慮なく」
赤羽くんは楽しそうに、磯貝くんはため息を着きながら。
振れば確実に当たるであろう位置まで前に出た。
「気にせず打てよスーパースター。ピッチャーの球はジャマしないから」
「くだらないハッタリだ、構わず振りなさい進藤君」
酷なことを云うねぇ、ただの中学生がこんなことできるとお思いで?
何の訓練も受けていない、平和な世界で陽のあたる場所で生きていた子どもには出来ないよ。
「骨が砕けても打撃妨害を受けるのは私達の方。でもまぁ骨が砕くまでもなくこの試合は終わるだろうけど。……君の考えを当ててあげようか」
「!!」
表情が強ばった。
杉野くんがボールを投げ、進藤くんがバットを振ろうと構える瞬間。また口を開いた。
「大きく振って恐がらせれば退こうとするに決まってる…当たりでしょ?」
今日一番、貼り付けた笑みを見せた。
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作者名:ろい x他1人 | 作成日時:2019年9月5日 21時