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全ての教科のテストは僅か2時間弱で終わった。
「こーろせーんせ、小テスト終わったよ〜」
教室の扉を開けて顔だけを出して云う。自分の席に戻り、小テスト用紙を机の上に置いた。
「もう終わったんですか!?」
「ふふー、まぁね」
殺せんせーの分身が小テストの丸つけをしているのを見ていると唐突に話しかけられた。
「ねー、徳永ちゃん」
「??
…なぁに?」
「…徳永ちゃんはさ、なんでE組に落ちたの?成績的には問題なさそうなのに」
丸つけをする殺せんせーの分身を見ながらも何処か探るような目でそんなことを云う赤羽くん。
「あはは、成績だけじゃなくても落ちる理由っていっぱいあるでしょ?…それに、私が落ちた理由は割とどうでも佳い理由だから〜」
「…徳永ちゃんさ、結構良い性格してるって言われない?」
「さァ、どうだろ」
私と赤羽くんはニコニコしながら言葉を交わす。何故かクラスメイトに凝視されているのは如何してかな?
「ところで、そのパソコンなに?学校で使うの?」
「ううん、使わないよ。何時もの癖で持ってるだけ」
まぁ、間違いではない。学校では使わないんだから。
「あ、そうだ。
殺せんせー、私の小テストの点数教えてくださーい」
そう云うと殺せんせーは小テスト用紙五枚を持って、私の元へと来た。
「国語100点。社会100点。数学100点。理科98点、これは漢字間違いです。英語は95点、スペル間違いとピリオドの付け忘れです」
計算通りとでも云うべきかな。
スっと前を見るとそこにはニヤニヤとした殺せんせー。
「…はっきり云って気持ち悪い」
「ニュヤ!?き、気持ち悪いですか!?」
「うん」
「シクシクシク…」
泣き真似をするタコを蔑んだ目で見つめた。
「…早く云ってよ、もう帰りたいなぁ」
「ううっ…、Aさんは全教科の応用をします!テスト範囲よりも更に先をいって、」
「うわっ、最悪。莫迦なの先生」
顔を歪めつつ、鞄を持って教室から出ようとした。
「あっ、ちょっと待ってよ徳永ちゃん」
赤羽くんが鞄の持ち手を掴んだ。その瞬間に流れ落ちるのは教科書達。もちろん、ノートパソコンは死守した。
落下した教科書の中にあるのは見慣れたくもない赤い本。
「完全自〇読本……?」
赤羽くんの手からそれを取り上げて、他の物諸々を全て鞄に押し込んで足早に教室から出た。
後ろからタコの声が聞こえてたけど勿論、無視した。
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ろい(プロフ) - 零さん» ひぇっ、恐れ多いです…。今週の更新はあまり出来ませんが来週は頑張ります!!これからもこの作品をよろしくお願いします! (2019年6月20日 23時) (レス) id: 221a5d6f5e (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - めちゃめちゃ面白いやんけ……暗教も文ストも好きだからめっちゃ好き……))更新無理しない程度に頑張って下さい!楽しみしにしてます!!! (2019年6月20日 22時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - 柊まふさん» 最高と言っていただけるなんてすっごく嬉しいです!今、書き直しをしているのでまた1から読んでみてみるのも面白いかもしれません、是非どうぞ! (2019年5月23日 6時) (レス) id: 221a5d6f5e (このIDを非表示/違反報告)
柊まふ(プロフ) - 最高です!更新 楽しみです! (2019年5月22日 16時) (レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - 無気力さん» ありがとうございます!更新頑張ります! (2019年5月21日 21時) (レス) id: 221a5d6f5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろい | 作成日時:2019年4月14日 20時