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「っフン、中坊がいきがんな」
再び、扉の向こうから荒々しい音が聞こえてきた。
「呼んどいた友達どもだ。これでこっちは十人。お前らみたいな良い子ちゃんは見たことない不良どもだ」
全く勘違いしないで欲しいよ。
私は決して佳い子では無いのだから。…此処に居る誰よりもね。
無言で扉を見つめると重々しく扉は開いた。
そこから見えてきたのは不良ではなく、牛乳瓶のような眼鏡に丸坊主の不良(?)達。
「不良などいませんねぇ。先生が全員手入れしてしまったので」
そして殺せんせーがそこに居た。
「遅くなってすみません。この場所は君たちに任せて念のために他の場所も虱潰しに探していたので」
そう云う殺せんせーを横目に私は手首の骨を鳴らす。
「その黒子みたいな顔隠しは何なの?」
「暴力沙汰ですので……この顔が暴力教師と覚えられるのが怖いのです」
「う〜ん、観点が少し違うような気もするけどねぇ」
まぁ、今は佳いかな。
其れよりも先にすることがあるからね。
「渚くんが栞を持っていてくれたから、先生にも迅速に連絡できたのです。この機会に全員ちゃんと持ちましょう」
そう云うや否や、赤羽くん達の手には分厚い栞が乗る。
わぁ、凄く重そう。
「先公だと…!?ふざけんな、舐めたカッコしやがって!!」
私たちのやり取りを見て唖然としていた不良達も、我に返ったのか鉄パイプや何らかの凶器を手に、殺せんせーに襲いかかった。
…まぁ返り討ちにされていたけども。そして栞で不良たちを殴り気絶。
一連の事件が終わった後、私は首に巻いてある包帯を巻き直しながら或人物に電話をかけた。
「もしもし、安吾さん?佳い仕事を持ってきたんだけど聞く?」
「あなたがそう云う場合は拒否権がないでしょう。…何か問題でも起こしたんですか?」
「やだなぁ、違いまーす。特務課の圧力で消して欲しい事があってね」
「それを問題と云うのでは?」
呆れた、とでも云うような声色から分かるほど安吾さんは呆れているらしい。
今回ばかりは私のせいでも無いから大目に見て欲しいんだけどなぁ。
「要件はまた夜に伝えるね、取り敢えず宜しく〜」
「ちょ、待ってくださ、」
云いたいことだけ云って、電話を切った。
その理由は簡単、話の内容が此処では話せないという事と、私が普通ではないことがバレる可能性があるからだ。
「Aちゃん…?」
「如何したの?」
「…ううん、なんでもない」
皆、勘が鋭いからねぇ。
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ろい(プロフ) - 零さん» ひぇっ、恐れ多いです…。今週の更新はあまり出来ませんが来週は頑張ります!!これからもこの作品をよろしくお願いします! (2019年6月20日 23時) (レス) id: 221a5d6f5e (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - めちゃめちゃ面白いやんけ……暗教も文ストも好きだからめっちゃ好き……))更新無理しない程度に頑張って下さい!楽しみしにしてます!!! (2019年6月20日 22時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - 柊まふさん» 最高と言っていただけるなんてすっごく嬉しいです!今、書き直しをしているのでまた1から読んでみてみるのも面白いかもしれません、是非どうぞ! (2019年5月23日 6時) (レス) id: 221a5d6f5e (このIDを非表示/違反報告)
柊まふ(プロフ) - 最高です!更新 楽しみです! (2019年5月22日 16時) (レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - 無気力さん» ありがとうございます!更新頑張ります! (2019年5月21日 21時) (レス) id: 221a5d6f5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろい | 作成日時:2019年4月14日 20時