修学旅行の時間 ページ13
.
「はぁ、憂鬱〜」
中間テストも終わり、遂に修学旅行という行事が迫ってきた。
机に突っ伏し、死にそうな声で云う私に対してE組の頼れる委員長である磯貝くんが口を開いた。
「普通、この時期なら皆テンション上がってるのに、Aは下がるんだな」
「下がるどころじゃないよ〜」
これが所謂、五月病?
おっかしいなぁ、探偵社にいた頃はあんまり影響されなかったのに。
「はぁ……」
重い溜息を着いた瞬間、携帯の着信音が鳴った。
見ると仕事用の携帯が音を鳴らしていた。無言で席を立ち、教室から出て山の方へと向かう。奥の入り組んだところに入り、通話を押した。
「Aっ、之はどういうことだ!!!」
「どういうことって云われても…書いてあった通りです」
実は殺せんせーが竜巻を起こす直前で、異能力を使って国木田さん宛にある手紙を送ったのだ。
「標的は居るのか!?」
「居ますよ、上手く収まったので」
私が落ち着いたトーンでそう云うと、電話越しに小さな溜息が聞こえた。
「そうか、分かった。
…A、お前宛てに依頼が来ていたぞ」
「……へぇ」
「ある人物を調査して欲しいとのことだ」
直感だけど、今回の依頼は何処か不穏な空気を感じる。
「分かりました、場所は?」
「京都だ」
「!!
京都って、」
「あぁ、修学旅行先だ」
駄目だ、嫌な予感しかしない。
そんなことを思っていると電話越しに国木田さんの怒声が聞こえた。
「えーっと、…国木田さん?」
「やァ、A」
「太宰、国木田さんは?」
「国木田くんは私の後ろに居るよ」
…そんなことを云いながらも、無理やり電話を取ったんだろうけど。そのせいか、後ろで本日二度目の国木田さんの怒声が聞こえた気がする。
「それで用件は?」
「今回の依頼の話だよ。…気をつけた方が佳い」
「…真逆、」
「其の真逆だとも。今回の依頼者はポートマフィアの関係者だ」
顔にかかる髪をかきあげながらも、太宰の話に耳を傾ける。
「其れに落ち合う場所は京都。今回の修学旅行先も京都。……偶然にしては出来すぎていないかい?」
「…犯行されるべくして作られた計画、ねぇ」
「流石だね、そういう事だ」
チラリと時計を見ると、もう少しで授業開始の時間。
「悪いけど、もう少しで授業が始まるから後でかけ直す」
「…はぁい、了解」
最後の返事が何処か嬉しそうな声色だったのは気の所為じゃない。
330人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ろい(プロフ) - 零さん» ひぇっ、恐れ多いです…。今週の更新はあまり出来ませんが来週は頑張ります!!これからもこの作品をよろしくお願いします! (2019年6月20日 23時) (レス) id: 221a5d6f5e (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - めちゃめちゃ面白いやんけ……暗教も文ストも好きだからめっちゃ好き……))更新無理しない程度に頑張って下さい!楽しみしにしてます!!! (2019年6月20日 22時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - 柊まふさん» 最高と言っていただけるなんてすっごく嬉しいです!今、書き直しをしているのでまた1から読んでみてみるのも面白いかもしれません、是非どうぞ! (2019年5月23日 6時) (レス) id: 221a5d6f5e (このIDを非表示/違反報告)
柊まふ(プロフ) - 最高です!更新 楽しみです! (2019年5月22日 16時) (レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - 無気力さん» ありがとうございます!更新頑張ります! (2019年5月21日 21時) (レス) id: 221a5d6f5e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ろい | 作成日時:2019年4月14日 20時