【終わりのセラフ】天才少女と夜想曲 2ndstory

一時的な処置と副作用 ページ6

シノア｢普通は一錠まで。おまけに効果時間は15分。薬が切れた瞬間、鬼呪装備すら解除されて完全に無防備になります。そこでこれの登場です｣

『時計…アラーム？』

シノア｢はい。押すと13分でアラームが鳴ります。鳴ったら全力で逃げてください｣

『じゃあ、残り2分はただの人間ってことか』


私は一人納得する。


優｢ちょっと質問｣

シノア｢なんですか｣

優｢これが前に言ってた、鬼呪装備の本当の使い方なのか？｣

優｢これさえ飲めば、今度こそ鬼呪装備の力を全部引き出せる？｣

シノア｢いえいえ、これは一時的な処置です｣

シノア｢鬼呪の力を使いこなすにはもっと勉強と修行が必要ですが、その後それでも足りない部分を補うためのドーピングです｣

『今はそれをやってる時間もないからね。
戦争は始まっちゃったし』

優｢確かに｣

与一｢でも、薬飲んで強くなるとかなんか嫌だなぁ…｣

シノア｢ああ、そこは安心してください｣

シノア｢この薬、人体に副作用がありまくるのは日本帝鬼軍お墨付きですから｣

優 与一 君月 ｢全然だめじゃねぇか！！！｣

『副作用とかいらないんだけど』

シノア｢あはは、だから極力飲みたくないんですが〜
今回は仕方ないので皆さんに配りまーす｣


日本帝鬼軍、と書いた入れ物に入ったドーピングを貰った。

…副作用付きとか使いたくない。









三葉｢まずい！！グレン中佐が……！！｣

『シノア、どうする？』

シノア｢全員すぐに薬を飲んでください！！
中佐を救出して離脱します！！｣


シノアからの命令を受けて私は薬を一錠、口に含んだ。


優｢行くぞ！！｣

君月｢おう！！｣

優｢グレン！！｣


優ちゃんがそう言った瞬間、グレンに刀を向けていた吸血鬼がグレンに刀を突き刺した。


優｢なっ………！！
てめえ……グレンに何してんだああああ！！！｣


あれ、どこかで見たこと……！？


『っ…優ちゃん！！待って、待って！！』


私の言葉を聞かずに優ちゃんは突っ込んだ。
そして”ミカ”と思われる人物に刀を刺した。


優｢死ね、吸血…｣

優｢…え？｣

『優ちゃん！』

優｢………いや｣

ミカ｢ゆ……優…ちゃん？｣

グレン｢何してる！！早くその吸血鬼に呪詛を入れて殺せ！！優！！｣


優ちゃんは絶対に殺せない。
……ミカ、なんだから。


グレン｢はっ、俺の勝ちだヴァンパイア！！｣


ミカは人間離れした動きでグレンの攻撃を避けた。

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