仲間と渇き ページ31
君月「グレン中佐が説明するんだと思ってたが、こいつの様子じゃ、戦場で暴走したことも……おまえを殺そうとしたこともまだ知らないだろう?」
シノアは綺麗な目を少しだけ伏せた。
まるであの時のことを思い出しているように。
君月「で、質問だ。
俺たちは本当に仲間なのか?もしそうなら、俺はこいつが目を覚ましたら事実を話す」
君月「だが、もしも仲間って言葉が建前で優を利用しようって話なら………」
シノア「どうします?」
君月「別に。妹を救うために、金がいるからここに留まるよ。だが、それは仲間だからじゃない。
俺はお前のナイトにはならない。吐き気をこらえて仲間ヅラするよ」
三葉「おい、君月。口が過ぎるぞ。
シノアは軍上層部から優を守るために……」
三葉の言葉を遮り私は口を開いた。
『そうだとしても嫌だよ。
優ちゃんのことを利用するなら、殺すよ』
シノア「君月さんは見かけによらず、いつも優しいですねぇ。妹想いですし…」
シノアは歩いて優ちゃんの所でしゃがんだ。
シノア「Aさんはどう聞いても君月さんと同じ意見ですし…」
シノア「与一さんも同じ意見ですか?
柊家に一緒に拷問されたんでしょう?」
君月「与一とはもう話し合ってる」
与一「あの…僕は……シノアさんたちが優くんのために秘密にしてると、まだ思ってますが…でも………」
途切れ途切れで言葉を並べる与一。
シノア「ちゃんと説明が欲しい、と」
与一「うん」
与一「僕らは仲間だよね……?」
与一がそう言った言葉はやけに大きく胸に響いた。
シノア「…そうですね。
仲間でいたいと少なくとも私は思ってます。」
シノア「だから、優さんが目を覚ましたら全部話しましょう。それは優さんのことだけじゃなくて、わたしたち仲間、みんなの話を」
渇く
ひどく渇く
血を_______人間の血を飲ませてくれ____
ミカ「はっ…はっ……………くそっ」
目の前には家畜の服を着た子供。
胸で苦しそうに浅い息をする百夜ミカエラ。
ミカ「……人間の…人間の血が…欲…」
子供はいつの間にか去り、この場にはミカエラだけだ。
ミカ「……くそっ……苦しいよ……Aちゃん、優ちゃん…」
碧の綺麗な瞳には涙を浮かべ、家族の名前を呼ぶミカエラ。
その声はきっと、誰にも届いていないだろう_________
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まゆ - 続編おめでとうございます^_^面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年4月1日 23時) (レス) id: 406c27ad01 (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - シオンさん» コメント、ありがとうございます!そうですよ〜!刀剣乱舞の蛍丸をイメージにしています (2018年8月12日 21時) (レス) id: 221a5d6f5e (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - 最初から読ませていただきました!面白くていいと思いました!更新頑張ってください!それと質問で、夢主の黒鬼装備の鬼って刀剣乱舞の蛍丸ですかね? (2018年8月12日 12時) (レス) id: c7ded62622 (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - 五月七日さん» ありがとうございます! (2018年7月26日 21時) (レス) id: 221a5d6f5e (このIDを非表示/違反報告)
五月七日(プロフ) - 凄く面白いです!応援してます!更新待ってます! (2018年7月26日 20時) (レス) id: 5bf48274f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろい | 作成日時:2018年7月11日 14時