泣き虫と心配 ページ15
『………』
深い海の中にいるような感覚に浸っている気分だ。
何も感じない、ただ揺らされているだけ。
『……ん…』
目を開けると辺りは真っ暗だった。
手で触って分かるのはここがベッドであること。
『あ、私…蛍丸に呼ばれて倒れちゃったんだ』
ただ、それだけじゃないような気もするけど。
『ミカ…』
ミカは生きていた。
吸血鬼になってしまったけど、生きていた。
その事実は実に単純だけど嬉しかった。
『よかった……ほんとにっ、よかった………』
涙で視界がぼやける。
『こんなところ、誰かに見られたらカッコ悪いな…』
急いで涙を拭う。近くで足音が聞こえるからね。
それも、急いでいる音だし。
優｢Aっ！！｣
『あ、優ちゃん』
優｢……A｣
優ちゃんはフラフラと私のベッドまで歩いて来る。
そして、いきなり私の両肩をガシッと掴み前後に揺らした。
優｢A…ほんとによかった……｣
涙を流しながらそう言ってくれた。
『あ、あはは…優ちゃんってばいつからそんなに泣き虫になっちゃったの？』
優｢泣き虫じゃねぇよ！！
当たり前だろ、家族を心配するのは！！｣
真っ直ぐとした目で言われて、私は何も言えなくなる。
『……なんでそんなこと言っちゃうの。
泣きたいわけじゃ、ないのに〜』
ポロポロと涙を零してしまった。
優｢うわっ、泣くなよ！俺が泣かしたみたいだろ！｣
『泣かしたも同然だもん〜！』
優｢…悪かったって。ほら、目痛くなるだろ｣
優ちゃんは私の目元を優しくハンカチで拭ってくれた。
優ちゃんの優しさが滲みて、思わず優ちゃんに抱きついた。
『優ちゃんだって、急に倒れて心配させたじゃん！！馬鹿、ほんとに馬鹿！』
優｢…悪かったよ｣
『次にそんなことしたら、本気で殴るから』
優｢…それは勘弁だな｣
『あ…そういえば、みんなは？』
優｢あー多分もう少しで来ると思っ……｣
三葉｢目を覚ましたってほんとかっ！？｣
シノア｢Aさんっ！｣
『来たね』
与一｢Aちゃん…良かったぁ〜！｣
君月｢はぁ…急に倒れるとか心臓に悪いんだよ｣
『あはは、ごめんね』
久しぶりのみんなで、少し心が安らぐ。
『…戦場は？どうなったの？』
シノア｢柊暮人中将、及び柊深夜少将が率いる渋谷本隊が来たのは覚えていますか？｣
『……うん、覚えてるよ』
それに、深夜さんは助けてくれたからね。
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まゆ - 続編おめでとうございます^_^面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年4月1日 23時) (
レス) id: 406c27ad01 (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - シオンさん» コメント、ありがとうございます！そうですよ〜！刀剣乱舞の蛍丸をイメージにしています (2018年8月12日 21時) (レス) id: 221a5d6f5e (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - 最初から読ませていただきました！面白くていいと思いました！更新頑張ってください！それと質問で、夢主の黒鬼装備の鬼って刀剣乱舞の蛍丸ですかね？ (2018年8月12日 12時) (レス) id: c7ded62622 (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - 五月七日さん» ありがとうございます！ (2018年7月26日 21時) (レス) id: 221a5d6f5e (このIDを非表示/違反報告)
五月七日(プロフ) - 凄く面白いです！応援してます！更新待ってます！ (2018年7月26日 20時) (レス) id: 5bf48274f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろい
| 作成日時：2018年7月11日 14時
