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バケモノと忠告 ページ14

目が覚めると真っ白な場所に居た。
ただ、大太刀が突き刺さっている真っ白い場所。


『…蛍丸』


蛍丸を呼ぶと、姿を見せてくれた。


蛍丸「Aっ〜!」


完璧に私より年下と思わせる雰囲気と姿見は鬼だとは思えない。


『何がしたいの?』

蛍丸「何ってただのお話だよ〜?」

『お話?』

蛍丸「ひとつ言うなら…鬼である俺が、取り憑いた人間のバケモノっぷりに怯えたことかな」

『バケモノ…』

蛍丸「優が暴走したのは覚えてるでしょ?」

『うん、覚えてるよ。忘れられないから』


一瞬でも目を閉じるだけであの光景が浮かんでくるから。


蛍丸「ミカの言う通りだよ。
まだ間に合うから三人で人間から逃げた方がいい」

『人間、から…?
私は、私と優ちゃんは人間じゃないの?』


私がそう聞くと、蛍丸は少し口を濁らせた。


蛍丸「……さぁね」

『教えてよ』

蛍丸「まぁ、別にいいけどさ…」


蛍丸は渋々といったような表情だ。
そしてそのまま、被っていた帽子を取り私に乗せた。


『…?』


私は乗せられた帽子を触りながら考える。
意味もなく乗せたわけじゃないだろうから。


蛍丸「Aと優はまだ、人間だよ。
でも、いずれ…人間じゃない部分が暴走して人間じゃなくなる」

『人間じゃない部分か…』


私は手を握りしめて考えてみる。
どこが人間じゃない部分なのか…それはよく分からないけど。


蛍丸「貰ったドーピングは本当に危なかったよ。
あれは、俺が処理してないとAも優と同じようになってたかもね〜」

『じゃあ、あのドーピングが暴走の原因?』

蛍丸「まぁね。
多分、優の鬼の阿朱羅丸は処理が間に合わなかったのかな」


私も…優ちゃんと同じようになってたのか。


蛍丸「これは忠告だよ。
人間を信じちゃいけない。黒い空から光が差して天使がラッパを吹く時、人間じゃなくなるかもしれない」

『忠告、か…。分かった、肝に銘じておくよ』

蛍丸「鬼の力なら貸してあげるよ。
だから、______にはならないで」

『え…?蛍丸?』

蛍丸「時間だね。それじゃあばいばい〜」


黒い嵐に包まれて蛍丸は消えた。

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まゆ - 続編おめでとうございます^_^面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年4月1日 23時) (レス) id: 406c27ad01 (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - シオンさん» コメント、ありがとうございます!そうですよ〜!刀剣乱舞の蛍丸をイメージにしています (2018年8月12日 21時) (レス) id: 221a5d6f5e (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - 最初から読ませていただきました!面白くていいと思いました!更新頑張ってください!それと質問で、夢主の黒鬼装備の鬼って刀剣乱舞の蛍丸ですかね? (2018年8月12日 12時) (レス) id: c7ded62622 (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - 五月七日さん» ありがとうございます! (2018年7月26日 21時) (レス) id: 221a5d6f5e (このIDを非表示/違反報告)
五月七日(プロフ) - 凄く面白いです!応援してます!更新待ってます! (2018年7月26日 20時) (レス) id: 5bf48274f0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ろい | 作成日時:2018年7月11日 14時

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