…ホーリーシット ページ12
アラスターの言っている意味が
わからない。
いや、わからないのではなくて
わかりたくない
あまりに衝撃的過ぎて
開いた口が閉じない
「A大丈夫ですか？」
そう言うふうに言いながら
アラスターは笑顔のままこちらへ近づき
私の顔へ自身の顔を近づけた
鼻と鼻がくっつきそうな近さに
私は動けずにいた
「……な、なんで」
「なんで？なんでかって？
そりゃあ私が楽しむためですよ」
震える声は続かずアラスターは私の頬を摘んだ
「戯けてカワイイお方
この子供は苦痛にもがき苦しみましたよ」
「なッ……」
本当にそれが楽しい事だと…
それを教えてあげる…みたいなテンションで
そう言うアラスターに絶句する
「あ、あなた…どうしてッ
このままじゃッアラスター！！！
あなた、地獄行きが決定してしまうのよ！！？
ねぇ、まだ…まだ大丈夫よ！
お願いよ、ねえ！ 殺しは一般的に赦されな…」
「知ってますよ」
「！！」
アラスターが手に力を入れ
私の口を掴む
そしてベタベタと顔を包み込むように触るアラスターに
戸惑いを覚える
「楽しいことをして
尚且つ あなたがいるところへ行ける…
これほど一石二鳥といえることはないでしょう
私は楽しいことをする ただそれだけ」
「……！
だ、だめよ…地獄なんてとこに来るもんじゃない」
私がそう言ってアラスターの両頬へ手をくっつける
アラスターはそれを受け入れ
そして“仕方ないな…”みたいな呆れすら含んだ笑みをした
「マイディア
あなたは悪魔らしくないですね
普通、悪魔は欲望のまま動くように囁く存在では？」
そう言われグッとなる。
確かに私は悪魔だが
そもそもはただ単に悪魔として生まれてしまっただけで
特に大罪は犯していない小心者だった人間だ
「私はその類の悪魔ではないだけよ
悪魔にもいろんな種類がいるのを知っているでしょう？
とにかく、私は…あなたに……」
「あなたに？」
「苦痛を味わってほしくないわ」
私は地獄に産まれたけど
地獄の隅々まで行ったわけではないけど
部下やお手伝いさんから聞く地獄の世界は
本当に治安が悪すぎて無法地帯だ
人間が死んで罪人となり堕ちてくるとも聞いている
すぐ死ぬやつもいる
生き残っても常に危険が身近に
あるようなそんなところに
ちっちゃいときの姿を知っているこの子が
過ごすことになるなんて…
夢見が悪すぎる
「とにかく死体は消すわ」
そう言ってパチンと指を鳴らし
人間化の魔法を解き
アラスターの背後にあった死体を燃やした
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どどんこ(プロフ) - ：柄乃空ちゃん：さん» ありがとうございます。柄乃空様！拙いものではございますが少しでも楽しんでいただけましたら幸いです。また、返信遅くなりましたこと申し訳ございません。引き続きよろしくお願いいたします (4月21日 22時) (
レス) id: c5997018ae (このIDを非表示/違反報告)
：柄乃空ちゃん： - 神作の予感✨更新頑張って下さい！ (2月16日 2時) (レス) @page1 id: b670a6340b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：どどんこ | 作成日時：2024年2月15日 22時
