BTSの長男の日常短編集 (ページ42)

今日:1 hit、昨日:8 hit、合計:247,902 hit

命日　3 ページ42

視線を感じた気がしてゆらりと顔を左に向けとそこにはフライパンを持ったジナがいた。

「ジナ…? 」

自分でも驚くほどかすれた情けない声が出た。僕の声に我に返ったジナが優しい笑顔を向けてくる。

JN「ヤーヨジジュナ、いつからそこにいたの？体冷えて風邪ひいちゃうよ。中に入りな。」

ジナの優しい声が逆に辛くて苦しい。どうしていいかわからないのに涙だけは勝手に流れていく。ぬぐってもぬぐってもダメだから諦めてジナから顔をそらして月を見る。

「ジナごめん、止まらないや。もう少しここにいるからジナはもう部屋に戻っていいよ。止まったらちゃんと戻るから。」

ジナも疲れているはずだから、いつ止まるかわからない涙のためにジナの睡眠時間をけずるわけにいかない。けどいつまでたってもジナが動かない。ふと目が合うと僕の体はその目に何を言われたのか勝手にジナの方へ動いていく。そしてまた僕の体が勝手にジナを抱きしめた。温もりを感じた瞬間、僕の中で何かが崩壊した。まだ寝ている弟達を気づかう理性は残ってたみたいで、ジナの広い肩に顔をうずめて声を押し殺して泣いた。

JN「ヨンジュナ!?」

ジナも弟達を気づかったのか驚いたように小さく僕の名前を呼ぶ。

「ごめん、ジナ。大丈夫、大丈夫だから…。」

ジナにこれ以上心配をかけないようにくり返し言う。けどジナが抱きしめ返してくれて、しまいには僕の背中を優しくてたたくもんだから止まりかけた涙がまた流れ始めた。