１７３話 ページ28
まあ、そんなこんなで賑やかな食事を終えた。
途中スクとレヴィのちょっとした小競り合いが原因の乱闘が起き、
ベルが血を流して発狂しかけた事は割愛しておく。
その後はスクと山本は剣術の修業へ、
あの子はツナに"ボス"としてのイロハを教える為、まずは書類仕事からだと別室へ移動した。
他の奴らは各々やりたいことをしに割り振られた部屋に行った。
特に用事もない俺は、スクと山本武の剣術を見にトレーニングルームへ向かう。
予想通りそこにいた2人は早速、剣士にしか分からない境地へ達していた。
俺は剣を扱う事はできるが生粋の剣士という訳ではない。
しかも人間ですらない為、"誇り"や"魂"といった人間の心情論を教えるには向かんのだ。
「う゛お゛ぉい！ まだ甘ぇ！ もっと脇を締めやがれ！」
「おう。分かったの、な！」
彼の雄叫びが、結構離れた距離にいる俺にまで聞こえてくる。
既に模擬戦という名の死闘は始まっているらしい。
スクは教える事に関してはまずまずで、山本の改善点を悉く叱責し潰していく。
それについていく山本も感嘆に値するな。
何故なら彼らは最早常人には到達できぬところまで突っ走っている。
彼らの無尽蔵ともいえるスタミナがあってこその代物だ。
「武ぃ！『霧』の炎を持つ奴、特に幻術を扱う剣士には注意しとけぇ！
あいつらは正々堂々と戦う事はまずねぇ！ 必ず姑息なマネをしやがる！
だからそういう剣士・術師と対峙した時は、0.1秒たりとも油断すんじゃねぇぞぉ！！！」
俺が幼い頃の彼に教えたように、見た目と声とは裏腹に丁寧なスク。
脇があいていればそこへめがけ斬りかかろうとして注意を惹かせ、
足捌きがもたついていれば足払いをかけて発破をかける。
経験がほぼ皆無にしては上手いな。
そして炎の扱いにも長けている。
懇切丁寧に教えて――という訳でもなく、あくまで"盗ませる"為に。
人間は他人から教えられるよりも自分で見て盗む方が実用性も習得も早くなる。
そこをあいつも理解した上で、わざと見せびらかすように使用していて。
「あいつも、教える側になったのか」
剣の才能が多少あったとはいえ、か弱い人の子だと思っていたのに。
人間の成長というものはやはり瞬く間に見違えるものなのだな。
長い銀髪と鋭い剣を煌めかせ、獰猛な鮫のように喰らいつく姿は、
様々な物に興味深々だったあの幼い人の子ではなくなっていた。
俺はらしくない寂しさを覚えながら、2人の剣技を眺め続ける。
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misyou.go2(プロフ) - 桜さん» ありがとうございます！常識がちょっとずれた夢主なんでそう言ってもらえてうれしいです！これからも頑張りますので("´∀｀)b (2017年3月31日 20時) (
レス) id: ffd771d2d5 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - おぅ……夢主らしいツッコミだな……。ハラハラドキドキで読んでます。これからも楽しみにしてます！ (2017年3月31日 18時) (レス) id: f38863f7c8 (このIDを非表示/違反報告)
misyou.go2(プロフ) - 桜さん» な、なんと貴方からの応援…！ これは本当頑張らねばなりませぬな！！ (2017年2月14日 18時) (レス) id: ffd771d2d5 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - いよいよ原作未来編ですね！ ものすごく楽しみです！ 今からすでにワクワク状態ですｗ これからも更新応援してます。 (2017年2月14日 18時) (レス) id: f38863f7c8 (このIDを非表示/違反報告)
misyou.go2(プロフ) - 出席番号・32番さん» おお！ありがとうございます！ (2017年1月8日 9時) (レス) id: ffd771d2d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：misyou.go2 | 作成日時：2016年9月15日 14時
