９０話 ページ43
XANXUSは俺に寄り掛かったまま寝てしまった。
このままだと風邪をひいてしまうのでスクに状況を説明して彼を肩に担いでもらった。
他のメンバーは置いて行く。
本当は俺が抱き上げても良かったが、公衆の面前で背負われれば彼のプライドにも関わる。
「う゛お゛ぉい……XANXUSがこうしても起きないなんて滅多になかったぜぇ。
余程疲れてたんだろーなぁ」
「今までずっと気を張っていたのだ、疲れて当然だろう」
「ヴァリアーが用意したホテルに向かっているところだ。
XANXUSの個室の横はオレだから、戻っても支障はねぇぞぉ」
「礼を言う。一度は戻らぬとやはり違和感がある」
眠ったXANXUSを後部座席にのせ、助手席でスクの武勇伝を聞いた。
剣帝を理解するために、利き腕である左手を義手にした話では一発叩いたがな。
まさかスクの主が彼だったのは驚いたが、いいコンビだ。
からかい甲斐がありそうで。
しばらくするとライトに照らされそびえ立つホテルに着く。
XANXUSを担いで入ってきたスクと外見は子供の俺を見たボーイはしばらく硬直していたが、流石一流ホテルに勤めているだけはある。直ぐに覚醒してカードキーを渡される。
最上階に到着してスクと別れる、どうやら幹部達を迎えに行くらしい。
彼を抱き上げ入室した。
だだっ広い寝床に執務机、酒の入った棚があるだけのシンプルで簡素な内装。
だが決して貧相ではない部屋。
ベッドに彼を下す。疲労からか少し身をよじるだけで直ぐに寝息が聞こえた。
幼い時も俺が近くにいると爆睡してたが……やはり何年経っても変わらない。
変わったのは――眠っても薄く残る眉間の皺に、身長に、凍傷の傷痕。
ソレをなぞりながら徐々に獣と化し、彼を守るように包み込む。
大きくなった彼が、縋りつくように掴んできた手をそっと握る。
いつか、起きている時に頼ってくれると嬉しいぞ……弱音だって吐いてもいいのだから。
沢山の物を持っているはずなのに、本当に欲しいものだけがいつだって手からすり抜けていく。
10代目の座も。義父からの愛を信じる事も。
――この子は、酷く淋しくて哀しい者なのに。
だからこそ、俺はこの子から離れてはいけない。離れたくない。離れられない。
「Buona notte(おやすみ)……XANXUS、我の愛しき子よ」
14年ぶりにそう言えた俺は満足して、ようやく眠る事ができた。
翌日、XANXUSが尾を抱き枕にしたのを見た俺が、可愛さで悶えた余り吐血したのは余談である。
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misyou.go2(プロフ) - 主人公って性格最高だわ!!@沢優さん» よかったです！キレたら外道な夢主と鬼畜ドSのリボーン…あっS同士ヤバい話し合いしそう…と思いたった次第です！応援ありがとうございます。 (2016年7月10日 18時) (
レス) id: ffd771d2d5 (このIDを非表示/違反報告)
主人公って性格最高だわ!!@沢優(プロフ) - ドＳ談義wwwwww最初から読みました!!とっても楽しいく読ませてもらってます♪更新頑張ってください!!o(`д´ ｡) (2016年7月10日 18時) (レス) id: 7489f80356 (このIDを非表示/違反報告)
misyou.go2(プロフ) - 桜さん» 初めまして！この作品のXANXUSは身内（信頼した者）には不器用ながらも甘えるタイプを目指してます。応援ありがとうございます！待っててください！ (2016年7月7日 18時) (レス) id: ffd771d2d5 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 初めまして！すごく面白い作品です。続きが気になって仕方なくってｗ夢主はカッコよくて、ザンザス可愛いし！ これからも更新楽しみにしてます！応援してます！ (2016年7月7日 17時) (レス) id: f38863f7c8 (このIDを非表示/違反報告)
misyou.go2(プロフ) - かまくらさん» 本当ですか！？面白いとは…精進します！ (2016年7月6日 18時) (レス) id: ffd771d2d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：misyou.go2 | 作成日時：2016年6月30日 16時
