大好きな人の声 ページ4
Asaid
としみつくんが近づいてきて、助手席のドアがガチャっと開いた。
『としみつくん…あの…』
と「A、おいで。
一緒に帰ろっか。」
大好きな人の大好きな声。
聞いただけで泣きそうになった。
私、この声を聞きたかったんだ。
てっちゃんの車を出て、としみつくんの車に向かう。
『てっちゃん、ありがとう、ございました…』
て「ゆっくり休んでね。
おやすみ。」
『おやすみなさい…』
と「てつや、ありがと。」
としみつくんが助手席のドアを開けてくれる。
頭当たらないように手を添えてくれる。
私が車に乗り込むと、優しくドアを閉めてくれた。
と「どうする?
俺んち来る?
それとも自分の家の方が落ち着く?」
『…としみつくんのお家が、いい……』
と「ん、りょーかい。」
ゆっくり車が進み出した。
『こんな夜遅い時間に、ごめんね…』
と「なんで謝んの?
俺はいつでもAの顔見れるの幸せだけど?」
さっきから握ってくれてる手をぎゅって握りなおしてくれる。
ありがとうって意味を込めて、私もぎゅって握り返すと、何も言わなかったけど少しだけ笑ってくれた気がする。
そこからとしみつくんの家に着くまでは、あまり話はしなかったけど、ずっと手だけは握っていてくれた。
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作者名:mimi | 作成日時:2021年8月28日 23時