水溜りボンドは男女トリオでした Part2 (ページ24)

今日:9 hit、昨日:1 hit、合計:48,405 hit

寝不足の理由② ページ24

Aの声は少しだけ震えてて、夜中にここに来た理由がすぐに理解できた。

『みんな…どこか遠くへ行っちゃて…わたしだけ、ひとりぼっちになるゆめみて…』

カ「うん。」

『だれにも、声、とどかなくて…』

ぽつりぽつりと話してくれるA。

優しく背中をとんとんする。

Aの側から離れることなんてないのに。

カ「大丈夫だよ。
みんな離れていったりしないよ？
俺もずっと一緒にいる。
Aが離れてって言っても離れてやんない笑」

『ん……かんたくん…こわ、かった…』

カ「怖かったね。
Aが見たのは夢だからもう大丈夫だよ。」

落ち着くまで、安心できるように優しく抱きしめる。

『夜中に、ごめんね…？
こわい夢見たなんてこどもみたいなこと言って…』

カ「んーん。
Aが俺のこと頼ってくれるの嬉しい。
怖い夢見なくてもいつでもおいで？」

『なんでカンタくんはそんなに優しいの？
いつも助けてくれる。』

カ「何でだろうね笑
物心ついた時からずっと一緒にいたから、Aは俺の半分みたいな感じ？笑
Aが嬉しいと俺も嬉しいし、Aが悲しいと俺も悲しいから。」

『ふふ、私も同じかもしれない笑』

カ「あ…やっと笑ったね。」

『カンタくんといると、不安な気持ちがスーって消えてくの。
すごく落ち着く。』

カ「俺も同じ気持ち。」

元気になったみたいでよかった。

頬を撫でると、子猫みたいに甘えてくる。

可愛い。

カ「今日ここで寝る？」

『いいの？』

カ「一人で部屋戻るの怖いでしょ？」

『うん…』

カ「俺もAと一緒に寝られるの嬉しいから。」

『えへへ、ありがとう。』

落ち着いたAはしばらくすると小さな寝息を立て始めた。

可愛い顔して寝てるから、今度はいい夢見てるかな。

俺はというと、頭は冴えに冴えきってて、その上心臓までもが騒がしくて、なかなか寝付けず、結局朝方までAの髪をサラサラと撫でてた。

次の日寝不足だったけど、幸せだったからまあいいか。