巫女 彩様は知っている

翌日 ページ31

翌日

彩「 奈子、いってくるけど
智くんに迷惑かけちゃダメだからね？ 」

奈子はふんわりと微笑んで「 お姉ちゃんもね 」という

その返事に少しため息をついてしまう

だって奈子の返事が...ね

奈「 お姉ちゃん、時間大丈夫なの？ 」

奈子は時計を指差し私に視線を向ける

私は奈子の指を追い時計を見ると集合時間ギリギリだった

早く行かないと若武に怒られると感じ直ぐ様靴をはきドアに手を掛ける

彩「 奈子、いってくるね！ 」

奈子はまた可愛らしく笑って大きく手を振ってくれた

奈「 行ってらっしゃい！ 」

私も手を振って外に飛び出した

○○○

集合場所の駅に着くと一人を除いた全員がいた

黒木君は翼と壁にもたれ乍会話をしていて小塚君はクレープを幸せそうに食べている、忍と上杉君はまた此方も楽しそうに会話をしている

普通なら人がワンサカいる筈だが皆目立たない所にいるので集まらない

皆の行動から優しさというものが感じられ少し顔が緩んだ

『 彩様、行かなくても良いのですか？ふわ 』

彩「 そうだね 」

私は皆の元に走り出そうとした時、後ろから何かがゾワリと襲いかかる

ばっと後ろを見るが何も無い

はて？

私は疑問を持ったが皆の元に向かった

翼「 あ！アーヤ！！ 」

その時だった

ドクンッと胸がはねズクズクッと血が沸騰するみたいに熱く頭に何かの映像が流れた


《 初めまして巫女様、俺は__と申します 》
ゆっくりと顔をあげる男の子





《 巫女様、俺は貴方を愛しています 》
ふんわり顔を赤く染めて微笑む男の子




《 巫女様、すみません
お別れです。 》
悲しそうに微笑み消えていく男の子


翼「 アーヤ！！ 」

はっと我に帰ると翼が私の肩を掴み心配そうな目で私をみていた

その姿は何処かさっきの子と似ている

彩「 おきつね...？ 」

ぽそっと呟いて前を見ると翼は大きく目を開いている

私はまたはっと我に返る

翼は少し微笑んでほろっと涙を流した

彩「 翼！？ 」

翼は首を横に振った

翼「 何でもないよ。アーヤは心配しないで良い 」

そう言って「 行こう 」と私の手をつかんで皆の元へ向かった

そんな翼を見てふと思ってしまう

懐かしいと

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