1313話 ページ13
✩
｢俺も行く｣
｢凛月？｣
｢俺が行かないとA、絶対に迷子になっちゃうでしょ｣
｢うっ…ありがとね｣
凛月の欠伸を見てると、私もつられて欠伸をしてしまった
一応私、時差ボケっていうのを今人生初めて味わってる最中でもあるし
時差ボケってこんな感じなんだ…
｢二人してそんな大欠伸して…本当に大丈夫なのォ？｣
｢ご、ごめんなさい。帰国したばかりなので頭が…｣
｢Aも大変だねぇ。帰ってきた途端これなんだから｣
｢ほんとだよ…もう、誰なのこんなことした人｣
七種さんはそこまでMessiahとKnightsがライバル関係なのを気にしてる素振りもなかったし
過激なファンが応援してくれてるだけとか？
オーナーさんに会ってみないと、そこら辺の判断はできないけど
｢行ってきます！｣
｢後よろしく〜｣
｢耳寄りな情報を期待していますよ｣
部屋を出ると、歩きながら凛月はこんなことを言ってきた
｢写真集、可愛かったけどなんであんなに地味だったの？ぶぅ、あれは絶対に表紙でしょ｣
｢何で凛月が膨れてるの…あれはコズプロに所属してる後輩さんの代理で、ちょっと写った程度だからね｣
｢そんなちょっとの為に、再販決定したんだよ？｣
｢え！？そうなの！？｣
｢そうそう。はぁ、皆も抜いてるのかな…｣
｢あほ！！！｣
さり気なくお下ネタ入れてくるから油断ならない
うっ…
想像したくないのに、しちゃった…
｢あんなの見なくても、凛月には私がいるのに…｣
｢…｣
｢凛月！？｣
何故か急に自分で自分をビンタしてた
怖い怖い、情緒不安定なの？
｢Aダメ。ここ仕事場。誘惑禁止｣
｢んなっ…誘惑してないから！！｣
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作者名：赤月 音 | 作成日時：2021年4月5日 0時
