760話 ページ10
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更衣室で着替えてくると、まだ二人だけだった
鳴上さんと瀬名泉さんに全然会わないなぁ…
「…」
「りっちゃん寝とく?」
「…レッスンするんでしょ」
「さっき自分で言ってたでしょ。ちゃんと労わってあげなよ」
眠くてイライラしてるんだろうな
私もよくあるから共感できる
すると、りっちゃんは大きなため息をついた
「はあぁ…本当にごめん。Aに八つ当たりしそうで怖いから、今だけじっとしてくれる?」
「今だけじゃなくて良いよ〜。そうですよね、朱桜さん?」
「はい!いつも寝てばかりの凛月先輩が、ここまでしてくださるなんて…♪」
ちょっと言い方に棘があったけど…
でもまぁ、ゆっくり休んでほしいな
りっちゃんは私に体重を預けると、すぐ眠りについた
よく頑張ってるよほんと
「本当に凛月先輩と仲が良いですね…昔からずっとこうなのですか?」
「う〜ん…これでも小学生の後半から中学生まで、全然喋ってなかったんですよ〜?」
「えぇ!?」
「ん、んん…」
りっちゃんが起きそうになると、朱桜さんは慌てて口を押さえた
何その可愛いポーズ…!
くっ、堪えろ私…
「そ、そうだっんですね…驚きました」
「私もびっくりしましたよ、急に距離置かれちゃったんですよ〜?」
「その…喧嘩でもされたのですか?」
本当に気になってたんだろうな
ぐいぐい質問してくる
「なんか…私が成長して、意識し始めた〜みたいな…ふふっ、今考えるとアホな理由ですよね…♪」
「そんなことで…」
「ほんとですよ」
りっちゃんの可愛らしい寝顔を見てると、私までつられて笑顔になってしまう
「…やはり、きちんと向き合って話し合うべきなんでしょうね」ボソッ
「え?何か言いました?」
「いえ、何でもありません…♪」
んん?
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作者名:赤月 音 | 作成日時:2021年2月28日 19時